【浦研プラス特別対談3月・前編】「キャンプ、練習試合を振り返って」(2012/3/3)

まだ、チームコンセプトを植え付けている段階

編集部「キャンプ、練習試合など、これまで今季の浦和が目指してきたスタイルを教えてください。キャンプで行った練習試合では、J2のチームには3勝1敗と勝ち越しましたが、Kリーグのチームには1分2敗と勝利することができませんでした」

島崎「もちろん、強いチーム、実力的に劣るチームとの試合がありましたが、結果はあまり意味がないと思います。練習の成果をどれだけ見せられるかという意義が大きかったですね。例えばコンディション面を考えても、試合によって大きなばらつきがありましたし、確かに韓国のチームには強いところもありましたが、額面通り浦和のほうが弱いから負けた、と語れるような段階では無かったです。その上で、細かく丁寧にミシャ監督が選手に対して指導を行っていて、ただそれを教え込んでいるけれども、最初も最初の段階かなと。広島でやっていたサッカーを浦和でもやっていこう、という意思表示を監督が見せていて、選手たちに”チームコンセプトはこういうものなんだ”と教え込んでいる段階だ、ということを感じました」

編集部「以前から広島とまったく同じようなサッカーをするのではないか、という予想はありましたが、現状はいかがですか?」

島崎「それはそうだと思います。福さんも前々から話しているように、ミシャ監督のやり方が全面に出ていますし、広島と変えている部分はほとんど無いと思います。」

編集部「ポジション的に、当初浦研で予想していたものと異なる部分は、原口が2シャドーに入り梅崎が左のアウトサイドを担っているというところでしょうか」

島崎「まだ確定している段階ではないですし、開幕に向けて確定とは言えない状況だと思います。またキャンプでは五輪組がチームを離れている時期があったり、マルシオも怪我で出遅れていますから。ただ、2シャドーのところは人材が豊富にいるので、難しい判断となりますね」

福田「直輝をどこで使うのかなと考えている。直輝は2シャドーのところでしか使えないから。また、柏木も同じでそこで使うのが最も力を発揮できるし、そう考えると原口をアウトサイドで起用するという選択もあると思う。直輝や柏木は2シャドーでしかプレーできないけど、原口はアウトサイドでもプレーする資質を持っているだけにね。また、ペトロヴィッチ監督の戦術ではサイドアタックが大きなポイントになってくる。どれだけ中央でボールを繋いだとしても、最終的にサイドでは1対1の形が多くなる。1対1の状況が生まれたときに、そこで仕掛けて、中央で数的優位の状況を作り出さなければならない。去年の広島を見ていても、ミキッチの存在は非常に大きかったし、それは理解しておくべきだと思う。ほとんどが右からの崩しだったし、彼がアクセントになっていたのは事実だから。サイドにおいて、1対1の局面で勝負できるのかが鍵になってくる。ペトロヴィッチ監督のサッカーは、Jリーグではもう何の驚きでもないし、対戦相手は分析して対策を施して挑んでくるのだから、相手が引いて守備を固めてきたときに、サイドの1対1で崩していくということが非常に重要になってくる。そういう意味で、個人的には原口をサイドに置くという選択もあると考えている」

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