【島崎英純】2011年シーズン・浦和レッズ総括・第4回 (2012/1/11)
『レッズスタイル』の次なる段階とは
ペトロヴィッチは事前にクラブ側から数々の要望を出され、それを承諾した上で指揮官の任に就いていた。
クラブは2009年から2010年の2年間チームの指揮を執ったフォルカー・フィンケとの契約を更新せず、クラブ方針を“継続”した上で、新監督の下で『レッズスタイルの構築』の次の段階に進むと述べた。この言い回し自体、非常に曖昧なものだが、サポーターはこれを前年度までのサッカーを継続した上での新体制構築と認識し、新監督のゼリコ・ペトロヴィッチに対しても大きな期待を寄せていたと思う。
だが、内実は本稿でも記述したように、全く異なるアプローチによる刷新によってチームは迷走してしまった。その要因として、ペトロヴィッチのサッカー観、サッカー哲学、戦術スタイルなどをクラブフロントが精査せず短絡的に指揮官を任命したことをこれまでに挙げた。だが、それ以外にも今季のチームが迷走した理由はある。
ペトロヴィッチは、かなりの難題をクラブ側から突き付けられていた。2011年シーズンのクラブ目標はこうだった。
「(前略)ペトロヴィッチ氏を監督とする新体制のもと、過程と結果の両面を同時に追求します。2011シーズンの目標として、5年ぶりのJリーグ優勝を掲げて闘います」
スタイルが刷新され、一からのチーム構築を余儀なくされる集合体が早期に結果を残せる可能性はどのくらいあるだろう。クラブ側が指揮官の能力を見誤ったことがそもそものきっかけとしても、浦和は出だしから躓いている。そして当のペトロヴィッチも、Jリーグ優勝というクラブ目標は非常に困難なタスクであることをシーズンイン当初から認識していた。ペトロヴィッチは1月下旬の宮崎キャンプで行った私とのインタビューでこう語っている。
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