【島崎英純】2011年シーズン・浦和レッズ総括・第3回(2012/1/9)

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自らの実力を過信してしまった

Jリーグ第7節の名古屋グランパス戦で快勝した浦和レッズはハイラインコントロール&ハイプレッシャーに自信を深めたようだった。しかし続く第8節・ベガルタ仙台戦で0-1と敗戦し、第9節・横浜F・マリノス戦でも0-2で落とすと雲行きが怪しくなった。奇しくも仙台、横浜は堅守を標榜するチームで、血気盛んに前線からアグレッシブに仕掛ける浦和に対して慎重にリトリートして隙を与えなかった。浦和は逆にミスを突かれて失点し、自陣で守備を固める相手を攻略できずにスコアレスで屈している。

名古屋は王者らしく、下位の浦和に真っ向勝負を挑んだ。しかし仙台、横浜は自らのストロングポイントを認識し、安易に向かってこなかった。その意味では戦術的上積みの乏しい浦和にとって仙台、横浜は、この時期で最も戦い難い相手だったかもしれない。しかし、それを差し引いても浦和は短絡的だった。つまり、名古屋戦での勝利で自らの実力を過信してしまったと思うのだ。

その後浦和は第10節の国立競技場での柏レイソル戦で1-3と完敗した。試合開始早々に左サイドを相手サイドバック・酒井宏樹にぶち破られてニアサイドに突っ込んだ北嶋秀朗にフィニッシュされただけでなく、その後にジョルジ・ワグネルのミドルシュートを浴び、最後はリスタートからまたもや北嶋にゴールされてしまった。後半アディショナルタイムに原口元気がゴールしたが焼け石に水で、浦和はほぼ無抵抗で柏に凌駕され、ここで完全に張り子のような自信を喪失してしまったと思う。

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