【島崎英純/福田正博】今振り返る、ドーハの悲劇〔後編〕(2011/3/25)

<<前編から続く>>

島崎

「やはり、当時は想像を絶するような状態だったんですね」

福田

「とても混乱していた。クラブ自体に優先順位が無いから、選手もどうして良いか判らない。日々、目の前のことを何とかこなしている状態だった。また中2日で試合があるのに、その合間では普通にトレーニングをしていたんだ。今では考えられないよね。本来ならコンディションを整えなければならないのに、そのノウハウが無い。日本の場合は、トレーニングをして”鍛えていく”という感覚があって、”試合のために調整する”という考え方を持っていなかったんだ。そういうことも含め、すべてにおいてアマチュアだったんだと思う。

メディア対応、ファン対応に関しても、もの凄く選手に負担が掛かっていて、僕はそれに対しても苛立ちを覚えていたし、どうして良いか判らなかった。僕の発言や行動にも間違ったことは多々あったけど、救ってくれる人が誰もいなかった。そうしたことが、個人的なコンディションを落とす要因になっていた。

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