仙蹴塵記

明治安田J2第3節 水戸戦・第一報 相手のプレスに苦しむも、相良竜之介の決勝ゴールを守り抜いて1-0。ホーム開幕戦で連勝

明治安田J2第3節・水戸戦は、ベガルタ仙台にとって2024シーズンのホーム開幕戦。試合前には梁勇基クラブコーディネーターが、試合後には若狭大志スクールコーチが、それぞれサポーターに向けて昨季をもって選手を引退し新たな道に進む挨拶をした。
仙台はこの試合にあたり、リーグ戦の前節・長崎戦から先発を1人変更。相良竜之介が先発入りした。ゲームキャプテンは林彰洋。

キックオフはエンドを入れ替えて行われた。立ち上がり直後に仙台は髙田椋汰のロングスローからのチャンスに持ちこんだが、その後は水戸のプレッシャーに押し返される時間が続く。4分にはゴール正面でこぼれ球をシュートされたが、これは林が落ち着いておさえた。
最初は押され気味の仙台だったが、14分に相良が最初のCKを取ると相手陣内でのプレーが続く。19分には右サイドから中島元彦が思い切ってシュートを狙ったが、これは枠を外れた。22分にはCKのこぼれ球をオナイウ情滋が遠目からシュート。これは上に外れた。
仙台が押しこむ時間が続くが、なかなかシュートには持ちこめない。39分には石尾陸登からのサイドチェンジを受けたオナイウが持ちこむが、クロスは相手に当たってコースが変わり、GK松原修平にキャッチされた。仙台は攻勢をかけるもゴールできず、0-0で前半を終えた。

ハーフタイムでの選手交代はなし。仙台は後半立ち上がりに水戸のクロス攻勢を受けたが、これは小出悠太らが防いだ。仙台はこれを押し返すと、60分、左に流れたボールを受けた相良が強烈なシュートを見舞うが、松原に止められた。直後にはエロンが左からのパスをダイレクトでシュート。これも松原に阻止された。
62分、仙台は2選手を交代。オナイウとエロンを郷家友太と菅原龍之助に代えた。65分に林のゴールキックを菅原が落とすと、これを受けた中島がシュート。これは松原の正面だった。66分には工藤蒼生のクロスから右でボールを受けた郷家がシュート。これも松原に止められた。
73分、ゴール近くでのパス回しから最後は菅原が反転してシュート。これは僅かに左へ外れた。逆に75分、水戸にロングスローから落合の決定的なシュートを許すも、林が落ち着いてセーブした。すると直後の76分に仙台がついにゴールを攻略。相良が左サイドでボールを受けて抜け出すと、技ありのループシュートを決めた。相良の今季2点目で仙台が先制、1-0とした。
79分、仙台はFKの流れから石尾がシュートを狙ったが、これはブロックされた。87分に仙台は長澤和輝と相良に代わり、知念哲矢とマテウス・モラエスがピッチに入った。5-4-1にシフトして守りを固め、水戸を押し返す。90+3分には中島から有田恵人に交代。水戸の猛攻をしのいで、1-0でタイムアップ。ホーム開幕戦を制して連勝した。

ホーム開幕戦であり、3月10日の開催で“復興応援試合”として銘打たれたこの試合に勝てたことで、森山佳郎監督も大きな一勝と感じたという。試合前には2011年当時の映像もチームで見直したとのことで、「被災したクラブを代表して、この3.11の前日にホームゲームを持ってきてもらって、その思いも確認しました。サポーターのみなさんの思いとか、選手の目に見えない力を動かすことも、ベガルタ仙台の良さを出していきたいというところは、少しは見せることができて、サポーターの方にもちょっと元気を与えることができたんじゃないかと思っています」とこの勝利の重みについて口にした。

reported by 板垣晴朗

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