仙蹴塵記

年末のご挨拶

2023年も【仙蹴塵記】をご愛読いただき、誠にありがとうございました。様々な方々のご協力により、今年もベガルタ仙台が関わる全公式戦を取材することができました。御礼申し上げます。

取材環境も昨年よりさらに改善され、感染症禍の前である2019年の水準に近い対面取材が可能になりました。まだ全てが戻ってきたわけではありませんが、現場の空気や選手・スタッフら取材対象の方々の生の声をお伝えしやすくなっています。実際にこの【仙蹴塵記】でも、お届けしたコメントや撮影できた写真の数が増えています。J2の取材環境はJ1に比べると厳しいスタジアムもまだまだ多いのですが、昨季よりは充実した取材活動ができたことは確かです。またJ1で取材できるようにできていれば、もっと良かったのですが……

そうした取材者の状況とはまた別に、取材対象の仙台にとっては昨年よりも遙かに苦しい年になりました。単に成績面で低迷しただけでなく、内容面での紆余曲折、ピッチ外の不祥事もありました。取材していて辛いことだらけの一年だったことは隠しようもない事実です。

そのような散々な年でも、状況を少しでも良くしようともがく人々の奮闘を取材し、記録し、伝えることには大きな意味があります。最近はニュースもネットで短期的に一時的な刺激のもと消費されてしまう傾向が強いのですが、その中にあっても残り、読み返せるような、長期的にも意味を持つ記事を出せればと願い、この【仙蹴塵記】でも記事をお届けしてきました。低迷や混乱のため、ベガルタ仙台というクラブ全体の長期的なヴィジョンが問われているところです。で、あれば、それを伝えるこちらも日々の仕事のみならず、少しでも長期的に意味を持つお仕事を皆様にお届けしたい。その思いを強くしたのが2023年だったとも言えます。

そしてこの年をもって、ベガルタ仙台が誇る背番号10・梁勇基選手が現役引退を決めました。本人も「契約は1月31日までなので、それまでは『選手』と呼んでください」と話していたように2024年もしばらく選手ではあります。それはそれとして、彼が2023シーズンまでに残してくれたものをしかと伝えつつ2023年を終え、次に背番号や応援“ダンス”を継ぐ選手の登場を期待しつつ、来たる2024年を迎えようと思います。

2023年もありがとうございました。

板垣晴朗

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