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【戦術分析:千葉】沖縄キャンプで見えてきたこと(文・西部謙司)

●シンプルなサッカー
3泊4日で沖縄キャンプを見てきました。2月1日には沖縄SVと練習試合がありましたので、それを中心に今季のジェフ千葉がどんな感じになりそうか、お伝えしたいと思います。

ひとことで表現すると「シンプルなサッカー」かな、と思いました。チームとしてやるべきことが明確です。

ファン エスナイデル監督のイメージがはっきりしているんでしょうね。選手にも伝わりやすいでしょうし、観客にも分かりやすい。ちゃんとできるかどうか、それで効果があるかはまた別の話ですが、曖昧さが少ないので何が良くて何がダメなのかが分かりやすい。修正もしやすいと思います。まあ、それだけ相手にも分かっちゃう、ということですけど。

●ポゼッションとロングパス
沖縄SVは言ってしまえば格下の相手です。スコアも6-2でした。それだけに千葉がチームとして取り組んでいることが素直に出ていた気がします。

フォーメーションは「3-5-2」でスタートして、後半24分にラリベイが登場してからは「4-3-3」に変わっています。エスナイデル監督は「3バック、4バックともに準備する」と早い段階から話していました。相手に合わせてマッチアップを合わせるということですかね。沖縄SVは「4-4-2」でした。

攻撃面での特徴はポゼッション、ロングパス、サイドアタック。

ポゼッションとロングパスは矛盾しているように思われるかもしれません。実際、そういう部分もあるでしょうが、イメージとしてはユーロのイタリアですね。アントニオ コンテ監督が率いていたイタリアは、いつになくポゼッションが高かった。しかし、中盤でボールをつないでいたわけではありません。後方でつないでいたんです。後方に起点を作り、中盤をスキップして前線へロングパスを送る攻め方でした。

3バックはフィールドの横幅いっぱいに広がります。アンカーが中央のDFに近づいたり、3バックの間に入ってビルドアップをヘルプします。ここからの展開ルートは主に2つありました。

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