ジェフの初夢2 スタイルの構築(文・西部謙司)2016/1/8
●負けても利益を生み出す
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
さて、年も明けましたが、まだチームは始動しておりません。補強の方は相変わらずの勢いで、もはや同じチームとは思えないぐらいの様相になってきました。どんなふうになるか、期待と不安の入り交じり方が例年の比ではありませんな。
というわけで、前回に引き続いて初夢的な遠大な話です。
今回のテーマは「スタイル」。強くて人気のあるクラブは、たいてい独自のプレースタイルを持っています。バルセロナが典型ですが、Jリーグでもサンフレッチェ広島やガンバ大阪、浦和レッズなど、それぞれのクラブがそれと分かるプレースタイルを持つようになってきました。
「スタイルなんかどうだっていい、プロは勝つことが全てだ」という意見もあるかと思います。確かにプロスポーツは成績が重要で、成績が良ければ観客も増え、スポンサーの支援も得られる。資金が増えればチーム編成も有利になって、より強くなる可能性も大きくなる。しかし、成績が上がりっぱなし勝ちっぱなしということは、まず起こりません。勝利が正義なのはプロスポーツの真実ではありますが、それだけではプロチームとして完璧とはいえません。
プロチームが目指すべきは、負けてもファンに支持されるチームです。勝って利益が出るのは当たり前、負けても利益が出てこそ本物です。だって、毎年優勝できるのは1チームだけなんですから。1チームしか利益が出ないとしたら、ビジネスとしてダメすぎるでしょ。そのためには、まず商品としてのプレーに魅力がないといけない。ブランド・イメージとしてスタイルが重要になります。
●スタイルはどうやって作られるのか
プレースタイルを決定する大きな要因は、合理性と嗜好(しこう)性です。
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