中三川監督新体制、怒涛の3連勝。前体制からの変化とは?【いわてグルージャ盛岡】
いわてグルージャ盛岡は9月20日に松原良香前監督の解任と、中三川哲治監督の就任を発表した。中三川監督新体制は、準備期間わずか3日という中だったが、第28節・宮崎戦(1〇0)で勝利すると、続く沼津戦でも2-1で勝利を収め、連勝。第30節・松本戦ではサポーター数8,000人に迫るアウェイスタジアムで4-1の快勝劇を飾った。
3連敗のあと、3連勝。チームにはどのような変化が起きているのだろうか。
V字回復となった3連勝を振り返る
松原前監督の解任について、選手たちは責任を痛感していた様子だったが、だからこそ「勝つしかない」という思いを新たに、また、より強く自らに刻んでいるようだった。システムはそれまでの[4-2-3-1]から昨季までの基本布陣である[3-4-2-1]に移行。宮崎戦でも戦術的な課題は少なくなかったが、それ以上に全員が勝利のために闘う姿勢が相手を上回り、前半、セットプレーから宮市剛が決めたゴールが決勝点となり勝利を収めた。この試合以前の直近5試合で無得点と、大スランプに陥っていた宮崎の攻撃のクオリティーに助けられた部分も大きかったが、球際へのプレスは強度が高く、個々の力で上回りながら試合を優位に進めた。中三川監督、そして選手も話すように、「リトリートしたときに誰がボールにアプローチするか」が前述の課題の一つに挙げられるが、3日間でそこまで詰めるのは容易ではない。不調の相手とはいえ、無失点で勝ち切れたことは評価されてしかるべきことだろう。
特に印象的だったのは「こういった試合を、もう1試合、2試合早く自分たちができていれば、また違った形だったのかもしれない」という弓削翼の言葉。3日間は心の整理が難しい中でも勝利に向けて全力を注ぎ、そしてその勝利をもぎ取った後にふと出た本音のように聞こえた。
沼津戦でも前節に続いて前半早々に得点。右からのクロスにオタボー・ケネスが頭で合わせ、12分に先制点を挙げた。しかし、20分すぎからの沼津は明らかにショートパスからの崩しを増やすと、主導権を奪回。25分に森夢真のシュートがディフレクションとなり同点に追いつくと、以降もサイドとライン間を巧みに使いながらチャンスを構築。それでも丹野研太の好セーブなどでピンチを脱すると、後半、途中出場の加々美登生がロングボールに抜け出して勝ち越しゴール。沼津のミスも増え、岩手は試合をクローズさせて今季初の連勝を飾った。
アウェイでの連戦となった松本戦は
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