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J3第4節岩手vs沼津 松原良香監督試合後会見全文【いわてグルージャ盛岡】

岩手 松原良香監督

 

本日はいわてグルージャ盛岡の開幕戦にお越しいただきましてありがとうございます。

今日のゲーム、前半は甲斐がひじうちで目の下が切れて出血したところからスタートしました。レフェリーも一生懸命やってくださっているので、僕も判定のことをとやかくいいたくはないんですけど、サッカーにおけるホーム開幕戦のスタート、主審がゲームをコントロールしてくれていればよかったと率直に感じています。

そのあとの対応もすぐに応急処置ができず、勝負事にはそういった細かいことが勝敗にかかわるので、いろいろな意味でこれまでなかったことが出た初めての体験がこのホームゲームになりました。

岩手からたくさんの人が来てくださっている中で、またアスルクラロ沼津のサポーターのみなさん、相手チームも中山さん(が監督)でしたし、素晴らしいチームと対戦できたことはうれしく思います。

 

前節の前半はシュート2本だけだったので、今日は7本だったと思うのですが、そこでまた気になるのが、やっぱり甲斐がまた出血でピッチの外に出てしまって、結局流れをつかめないような状況になってしまいました。ゲームが荒れてはいないんですが、もっとコントロールしてアクチュアリングプレーイングタイムを進ませながら(進行してほしかった)。(1人少なくなって)システムも4-4-1にしたんですけど、ああいうところもノッキングというか、かみ合わないところにつながってくるので、うまく(流れに)乗り切れないなという中での前半でした。

 

後半唯一気を付けなければならないのが相手のクロスに対してのファーサイドのポジショニング。そこをケアしなければと思っていました。後半、相手を上回ろうと。前半、失点ゼロできてくれたのはよくやってくれたと思います。ただ、後半に入って自分たちのほうが焦りがあったのかもしれない。昇格する、優勝するというところを自分も公約としているなかで、なんとしても勝たなければいけないという思いがありました。中山さんとも試合前に話しましたけど、「うち(沼津)はまずは残留することが大事なんだ」と話していましたし、どちらかといえば沼津さんのほうが我々の顔色を見ながらプレーできたのかなと。その編の違いは感じました。

 

(失点のシーンでは)最後のところ、中村充孝に出たボールを奪われて、カウンターからのサイド攻撃のような形でやられました。確かに(局面で見れば)相手の数的優位な状況だったかもしれないですけど、選手たちがなんとしても勝とうと思い出縦パスを入れたこと、チャレンジした中での失点はポジティブにとらえている。もっとポジティブなのは時間が少ない中、プレッシャーがかかっているホームゲームで攻撃的にいって中村充孝がPKに奪ってクリスティアーノが決めたこと。中村充孝はケガもありましたが、チームのキャプテンとして僕は彼を本当に信頼しています。彼が今日出てくれて、本来はスタートから出したい選手ですがコンディションのこともあり、いい形で彼に今後も含めてスムーズに入っていってほしいと思っています。クオリティーの違いを見せてくれたのかなと思っています。

 

応援してくださるみなさんの心に響くフットボールを展開したいという意味では、アグレッシブにインテンシティー高く、攻撃的にというところを選手たちは出してくれた。試合後選手たちに言ったのは、「僕自身が選手の良さを出してあげられなかった」ということ。僕自身の甘さも正直感じています。それでもこれまでであれば落としていた試合で勝点1を取ることができるようになってきているので、そこはポジティブな要素だと思っています。

 

(桐選手が最初右、途中から左で効果的な活躍を見せていたと思います。評価を教えてください)

最初は右に置いて、カットインしてシュートという前節も決めた形であり、トレーニングでもやっていることを期待していました。ただ、ミドルサードに入ったときに相手に引っかかるプレーが何度か続いたと思います。焦りからなのか、彼の足りないところでもあります。あれを見た瞬間に左右を変えました。和田の右にして、石田とのコンビネーションもいいですし。桐は(新保)海鈴と縦に並べて。トップ下に充孝もいたりして変化が起こる。これによって揺さぶれるようになったと思う。桐は右にもおけるし、左にも置ける。ゴールに直結したプレーができる大事な選手です。

 

(試合前、チームとして共有したことは?)

優勝するためにははじめが肝心で、ホーム開幕戦が何を示すかというと、岩手県民の皆さんの声をいただける、そして「また観に来たいな」と思っていただけるパフォーマンスでないといけない。だから、絶対に勝とう。そう伝えましたし、準備もしてきました。この1発目は1/38ではありますけど、心に響き「また来たいな」「応援したいな」と思ってもらえるプレーを、と思って試合に入りました。

 

(スタジアム、地元サポーターが詰めかけた雰囲気をどう感じましたか?)

喜んでくださっているようにはみえましたが、勝てなかったので悔しいですね。そこは本当に悔しい。ただこれが今の実力なので、もう切り替えて次に進みたいなと思います。

 

(今季初めて先制されました。先制された後、どういう狙いでプレーしましたか?)

どちらかといえば、僕たちのほうがアクションを起こしていたのかなと思います。なんとしても勝ちに行く。もちろん沼津さんも勝ちにはきているんですけど、僕たちのほうがおかれた状況からするとなんとしてもホーム開幕戦で勝利がほしい。揺さぶられた感であったり、視野が狭まってしまった感はあったのかもしれないです。

 

(次節に向けての意気込みをお願いします)

今日は学びがあったんですよね。初めてのことがたくさん起こったので、こんなかんじなんだというのがいくつもあって。僕も選手と共有して、何をどうするべきか。どうトライして取り組んでいくかというのはやっていきたいなと思います。

 

(中山監督との静岡県出身者同士の対決ということで、静岡でも大きな注目を集めていました。サッカーの面白さが詰まった試合になったかと思います。この試合が岩手にとって、静岡にとって、どんな影響を与えられたと考えていますか?)

僕はJリーグができて30周年。ドーハのとき、僕は中山さんをみて、世界に勝ちたいと思って、ウルグアイに行きました。アトランタ五輪に出るために行って、戻ってきて、中山さんとチームメートになりました。中山さんは得点王になりました。そんな中、やっぱりヨーロッパでプレーしなきゃという思いでヨーロッパに行きました。違う道を歩む中、同期にはテル(伊東輝悦)もいますし、次のフェイズに日本サッカーが進化、ベスト16の壁を破るためには引退した選手たちが次の局面に入って活躍することが必要だと思います。それが日本サッカーのボトムアップにもつながると思うし、そういう意味では中山さんが監督になられて、僕自身も解説業や研究をしてきましたけど、攻撃的に、ボールを奪いに行く、前でプレーする、そういうスタンダードを上げていくことを意識しながらやれていることはすごくポジティブだと思います。ですから、ホーム開幕戦で中山さんとやれたというのは大きなスタートなのかなと思います。社長は秋田さんですし、沼津においても鹿島出身の方が社長になられたり、いろんな意味でのスタート、それこそグルージャのスローガン「開闢」ということかなと思っています。

 

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