「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

GK31沖悠哉「良さは消しちゃいけないし、それがなくなったら自分の存在意義もなくなってしまう」/【プレイヤーズファイル】

いま鹿島はチーム全体としてビルドアップを身につけようとしている。誰が試合に出てもそこまで苦労することなく前進できるようになったことは、タイトルという目に見える結果を手にできていない今季の道のりが、決して無駄ではなかったことを示している。

岩政大樹が監督になってから早い段階で早川友基が正GKとしてゴールマウスを守るようになった。彼の最大の特徴はビルドアップの仕組みを理解しているところ。どのポジションの選手がプレスに来ているから、どこが空いているのかを理解し、そこにボールを蹴る技術も備えている。ビルドアップの初期段階では、その早川の能力があってようやくビルドアップが成立する部分もあった。

ビルドアップが得意な選手がピッチに立つようになったことで、ビルドアップを得意としない選手は自然と意識が寄せられていった。試合に出られない現状を変えるには求められる役割ができるようになればいい。そう考えるのは当然のことだ。しかし、それによって自分の持ち味を見失う選手もいる。自分の特徴は別のところにあることを十二分に承知していたのに、沖悠哉は早川友基の幻影と戦ってしまった。

 

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