Dio-maga(ディオマガ)

☆無料掲載【頼コラム】君はもう「かまたま」を観たか。

※2016年6月3日に掲載した記事を再掲載しています。

昨シーズンの終わりくらいにその存在に気づき、じわじわと癖になり、気づけばファンになったものがある。「かまたま」である。うどんのメニューではない。スカパー!で放送されている、カマタマーレ讃岐のオフィシャル番組「かまたま」。それはまさに、さぬきうどんのように腰の強い、それでいてノドごし爽やか後味すっきりーー別にうまいことを言おうとしなくていいですね。要するに、面白いんですよコレ。

何がどう面白いのかは言葉で説明するよりも観てもらった方が早い(オンデマンドで観られます)のは承知の上で少し書いてみると、まずはとにかく本多春菜さんという女性MCのキャラクター。選手たちを苦笑させるほどのハイテンションなのだがうるさくはない。サッカーにはあまり詳しくないようなのだが知ったかぶりはしない。逆に、キラキラと目を輝かせてストレートに選手に質問をブチ込んでいく様が小気味いい。

最新の「-かまたま#11-」ではその本多さんが木島徹也選手を相手に、ゴールシーンをタブレットで再生しながら振り返る、いわゆる「解説するっち」を試みている。しかし本家の「解説するっち」とはいい意味で趣を異にしている。

本多さん「パスをもらった時に、こういう、カカトでこっちに行こうと見せかけてシュイーンとやって向こうに行くやつ……」
木島選手「はい、ターンっすね」
本多さん「ターン!ターン!一発かましてる?」
木島選手「ああ、かましてますね」

讃岐の選手は、本多さんには内輪のサッカー用語だけでは通じないことをわかっていて、それを前提にして易しく説明する。だから結果的に、通して観ていると実はとても懐の深い、視聴者もじっくり楽しめる本人解説になっている。

誤解を恐れてびくびくしながら言えば、個人的にはサッカー番組に出てくる女性MCの好き嫌いは激しい方だと思う。しかし本多さんは、そういう同性の小姑センサーにはひっかからない。だって彼女からは、少なくともこの番組において、自分をかわいく(あるいはキレイに)見せようなどという邪念が微塵も感じられないんだもの(そしておそらく番組スタッフもそこは求めていない)。

次のページ

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ