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☆無料掲載【頼コラム】君はもう「かまたま」を観たか。

話がそれた。おそらく、本多さんの地中海性気性とも言うべきピーカンに晴れ渡ったキャラクターが選手たちの番組対応にも影響を与え、全体の旨味を増している。今シーズン最初の放送「-かまたま#8-」では、本多さんの進行のもと岡村和哉選手と仲間隼斗選手が全選手の紹介をしているのだが、観ながら何度声を出して笑ったことか。参考までに清水健太選手の紹介部分はこんな感じ。

本多さん「声がすごい、いい声なんでしょ?」
岡村選手「声のトーンがちょっと高いから、めっちゃ聞こえやすいですよ試合中とか」
本多さん「声が高いんやー」
仲間選手「自分で、あるって言ってましたよ、試合中に通る声が」
本多さん「どのあたりまで聞こえるんですか?」
岡村選手「たぶん、兵庫県あたりまで聞こえると……」
本多さん「マジで!?」
岡村選手「調子いい時は。俺、オフの時聞こえたもん」

この調子で全選手について語られていくのだが、「ロングスローが得意」「キックの飛距離が半端ない」など各選手の特徴もちゃんと把握できるので、讃岐戦の予習としてもお勧めです。

そもそも、クラブオフィシャル番組というのはどれくらい放送されているものなのか。スカパー!のサイトへ行って調べてみた。

鹿島  ANTLERS REPORT
新潟  The Albirex Times
磐田  ジュビロTV PLUS
G大阪 GAMBA FAMILY
浦和  URAWA チャンネル
横浜FM TRICOLORE PARADISE –トリパラ-
広島  サンフレッチェTV
鳥栖  サガン鳥栖TV
札幌  WEEKLY CONSADOLE
松本  週刊 松本山雅
C大阪 セレッソ大阪TV
讃岐  かまたま
(順不同)

J1が8クラブにJ2が4クラブ。この顔ぶれの中で、オフィシャル番組を制作しているというだけでも「讃岐がんばってるなあ」感がある。そして並べてみて気づいたが、他クラブが軒並み横文字を並べて(あるいは漢字で固めて)カッコイイ系の番組タイトルを掲げている中、ユルくひらがなで独自路線を行く「かまたま」。決して前のめりになって観ることはないが、「おもろいわー」と笑いながら観ているうちに讃岐の選手への好感度が上がってしまうので要注意ではある。

そしてさらに、「-かまたま#11-」からはなんと他クラブを巻き込む型破りな新企画が始まった。その一つが「アウェーマスコットキャラクター身体測定試験」というもの。讃岐にはまだマスコットがいないらしく、いずれマスコットを作る際の参考にすべく(という名目で)よそのクラブのマスコットを引っ張り出していろいろとやらせるのである。第1回はレノファ山口のレノ丸君が本多さんの餌食になっている。

となれば、ディーオの出演機会もあるのではないか。アウェーゲームの時に収録しているようなので、6/12の讃岐戦に、すわ、本多さんがやってくる!? と期待してモンテ広報さんに確認したところ、「そのようなオファーは来ておりません」。残念。ディーオの「日本語コミュニケーション能力」などを試してくる本多さんに盤駒差し出して、「将棋で勝負しようぜ」って迎え撃って欲しかった。

なにはともあれ、未見の方はぜひ一度観てみて欲しい「かまたま」なのである。

などと、ここまで、あたかも自分が隠れた佳作を発見したかのように書いてきたが、このコラムを書くためにオンデマンドで「かまたま」を見直していたら衝撃の事実が明らかになった。J2マガジン誌が行った「2015平ちゃんアウォーズ」において、「かまたま」は最優秀クラブ番組賞を受賞していたのである。がびーん。平畠啓史さんの方がずっと早かった……。さすがです。

(文=頼野亜唯子)

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