浦レポ by 浦和フットボール通信

2位に終わったルヴァン杯、「決勝戦」だから敗れたのかどうか【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯決勝 福岡戦】

(Report by 轡田哲朗)

スタメンより7人のベンチメンバーを選ぶ難しさがあったかも

浦和レッズは11月4日のルヴァン杯決勝でアビスパ福岡との試合に1-2で敗れて優勝を逃した。福岡にとってはクラブ史上初タイトルということで、それは素直におめでとうと言いたいもの。サッカーは相対的なものがある対戦型スポーツだが、シンプルにこの試合を勝利するのにふさわしいプレーをしていたチームが勝ったと言える割合が大きいだろう。

マチェイ・スコルジャ監督はある程度、想定しやすいメンバーで11人を組んだ。判断の難しさを垣間見せたのはベンチの7人をどうするかというもの。ハーフタイム明けに入れた大久保智明には「30分くらいと言われていた」というプレータイムの制限があったことが明かされた。少なくとも無制限ではなさそうな関根貴大と2枚を入れるかどうかは確かに難しい。明本孝浩とブライアン・リンセンも負傷明けだが、短時間でもパワーを出せそうなタイプではある。中島翔哉が入らなかった以上、少し変化をつけたい場合のエカニット・パンヤは理解できる。経験のある興梠慎三の選択も難しいところだ。GK牲川歩見とDF岩波拓也は外せないだろうが、例えば柴戸海を外してでも2列目に入れる可能性を持てる安居海渡を入れた。それは早川隼平のスタメン起用がレギュレーションにより半ば確定していたことも関連するかもしれない。

最終的な選択がされて、興梠、関根、柴戸の3人はピッチ上のウォーミングアップを手伝っていた。彼らの共通点を1つ挙げるのならば、浦和で何かしら準優勝に終わった大会を経験しているということ。いたらどうだったなどというのは知る由もないが、23人で入れるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)とは違う難しさはそこにあった。

場所を取るのはスタート地点で、そこから

浦和は開始5分で失点をしてしまうことになった。そのキッカケは西川周作が前方中央に蹴ったゴールキックをホセ・カンテがあまり競ることができずに跳ね返されて、一気に中央を経由して右サイドに持っていかれてしまったものだった。記者会見の時点でマチェイさんは「通常ならしないような失点をしてしまった。我々はゴールキックが得意なチームだと思うが、今日の1点目はそこからだった」と話していた。

ゴールキックに対してカンテはかなり眩しそうにしていて、ボールが見えていなさそうだった。西川と試合前日にチラッと話していたのが試合前のエンド選択で、今回のキックオフの方向が良いと話していた。その理由が日差しの向きと高さにあったようで、カンテがボールを見ようとした時の体と目線の向きは、逆向きのキックオフだったら西川がロングボールに対応しただろう時と同じもの。相手選手がうまく対応しているのは事実だが、上手くいかない時というのはこんなことも悪い方向にいくものかもしれない。いずれにせよ、ロースコアが予想されるゲームの開始5分で相手に得点を渡したことは重い事実になった。酒井宏樹の対応については、彼がコメントしているのでそちらを見ていただくのが良いと思う。

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