浦レポ by 浦和フットボール通信

ミッション・インコンプリート、点と線で見た鹿島戦とリーグ戦【轡田哲朗レッズレビュー/J31節鹿島戦】

(Report by 轡田哲朗)

関根と大久保を欠き、ベンチを見渡しても選択肢は少なかった

浦和レッズは10月28日のリーグ第31節、鹿島アントラーズとのアウェーゲームを0-0で引き分けた。これによって首位のヴィッセル神戸が引き分けたものの勝ち点差は詰まらずに8ポイント差のままで残り日程だけ3試合に減った。いかに直接対決を残すにしても、2位の横浜F・マリノスも勝ち点6差で上にいる。得失点差もそこそこ負けているので、簡単に言うと2チームとも3連敗(マリノスは1分2敗でもOKだが)して浦和が3連勝した時だけ逆転ということになる。だから、この鹿島戦は引き分けには価値がなく勝利が必要というのが試合前の状況だったが、結果だけ見ればそのミッションには成功できなかった。

髙橋利樹をスタメン起用してホセ・カンテとの2トップにして、サイドハーフは小泉佳穂と安居海渡だった。関根貴大は20日の柏レイソル戦での負傷から戻ってこられず、大久保智明は24日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)浦項スティーラーズ(韓国)戦で何かトラブルがあったようだ。マチェイ・スコルジャ監督が試合後に「文句も後悔も言いたくないが、トモ(大久保)やタカ(関根)がいれば、また違った試合になっていたかもしれません。よりリスクを冒すこともできたと思いますが、ACLの試合で大久保を使ってしまったことが、私のミスだった」と言及していた。

他にもブライアン・リンセンとアレックス・シャルク、中島翔哉もメンバー外だった。彼らも負傷明けの選手たちであり、試合に出場できる状態だったにしても監督のチョイスという可能性もあるし、もちろん興梠慎三もエカニット・パンヤも悪い選手ではないのだけど、勝ち点3を必ず得て帰らなければいけない試合という点で見れば厳しさが見える。

ロングボールはやや劣勢、地上戦はどちらも進めない

試合が始まってみると、互いに地上戦では良い前進ができなかった。どちらもある程度ロングボールに頼ることになって、鹿島は鈴木と垣田が強さを見せた部分と、そこからのセカンドボールで前進することへの慣れも感じられた。アレクサンダー・ショルツが「彼らとプレーをするのは常に楽しいですね。どちらも素晴らしい選手です。かなりファイトもピッチ上で行われていました。そして賢い選手たちだと思います。裏に抜けるのもうまいし、身体を使うのもうまいですし、鈴木はスペースを見つけるのもうまいです。特にロングボールを受ける時も角度をうまく取ってプレーをしてくるので良い選手だと思います」と話していたように、ぶつかり合う部分での技術も少なからずあった。

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