浦レポ by 浦和フットボール通信

難しいと分かり切った試合に2か月半ぶりの敗戦、背番号8へのエール【轡田哲朗レッズレビュー/J第10節鳥栖戦】

(Report by 轡田哲朗)

この水曜日に試合を入れない日程は本当に組めなかったのか

浦和レッズは5月10日にリーグ戦の10試合目でサガン鳥栖と対戦し、0-2で敗れた。昨季までもあったように、変則日程で「第●節」と実際の試合数が合わない状況が出てくるので、しばらくは浦和にとってリーグ戦の何試合目にあたるかで表記していく。リーグ戦で開幕2連敗してから公式戦では無敗だったので、14試合ぶりの敗戦だった。複数失点するのも、その2敗目だった2月25日の横浜F・マリノス戦以来。2か月半くらい負けていなかったのは大したものだし、いつか負けるにしてもちょっと悪目立ちするタイミングだったのは残念だった。

このゲームはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦から中3日の水曜日で、もうちょっとどうにかならなかったのかという日程で行われた。確かに3試合飛ばしている浦和は水曜日を使いながら追いつかなくてはいけないのだけど、その1試合がアジア王者を決めるビッグマッチから中3日に入るのはいくらなんでも厳しさがあった。だから負けていいということにはならないのだけど、少なからず影響があったのは否めないだろう。それと鳥栖が中2日で試合をしたのは別の軸の話だ。それこそ、鳥栖のことだけ言えば他の17チームの中で唯一この水曜日に試合をするのだから、「前の試合は土曜日に入れてあげられないのか」ということになるだろう。浦和が戦ったACL決勝の裏でJリーグは試合をしていたのだから、それを鳥栖の試合にすれば良かっただけの話であって、本当にこの日程が与えられた選択肢の中のベストなのかと疑問を感じる余地は多々あった。

マチェイ・スコルジャ監督は最終的にACL決勝からスタメンを4人変更するにとどめた。これは意外な部分も大きかったのだけど、試合後に「もうちょっと入れ替えておけば」という言葉になった。これはマチェイさんが「負けたからこう言っているもの」と、自ら結果論で話していることを宣言しているくらいなので、難しい判断だったことは想像できる。

悪いところばかりではなかったが、「頭が疲れていた」

鳥栖戦と言うと、昨季の浦和をリカルド・ロドリゲス監督が率いていた時期なんかはとても戦術的で、ちょっと「マニア受け」するようなお互いにゴチャゴチャとしたところがある試合になることが少なからずあった。ただ、この試合に関しては鳥栖の川井監督が「どストレート」と言ったように、ポジショニングを工夫したところで人数を合わせてくる今のサッカーにおける傾向から、それほど配置を動かさないやり方になりつつあること、浦和もマチェイさんになって岩尾憲の出入りで変化はあるものの、そこまで大掛かりな配置を動かさないようになっていることから、割とシンプルな戦いの様相を呈した。

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