浦レポ by 浦和フットボール通信

痛恨の引き分けを引きずる選手とACLへと気持ちをロッカールームで切り替えた選手と分かれている印象【試合取材後記 今日のミックスゾーンから】

試合後に選手たちが取材対応をするミックスゾーンでの選手たちの様子をたかねえがお伝えします。(Report by 河合貴子)

決定機を決めきれず、スコアレスドローに終わる

YBCルヴァンカップ・準決勝進出を決め、中4日で臨んだリーグ京都戦。YBCルヴァンカップの勢いに乗ってしっかりと京都戦に勝利を収めて、ACLグループステージ武漢戦へと向かいたいところであった。朝晩と少しは涼しくなってきたとはいえ、気温27.8℃、湿度82%とピッチの中は過酷な低温サウナ状態であった。それでも京都は、試合開始から武器であるハイプレスをガンガンと掛け、浦和は攻撃のリズムが作れず苦しい展開になってしまった。とにかく浦和は、相手のペースが落ちるのを待つかのような前半の闘い方だ。前半に放ったシュートは、お互いに2本だけだ。

浦和は主導権を京都に握られてしまったが、決定機を作らせない。逆に浦和は一瞬の隙を突き22分に岩尾憲選手からDFの背後を狙ったロングフィードに関根貴大選手が抜け出すも、エリアの外まで飛び出してきたソンユン選手と交錯しながらも粘り強く無人のゴールに向かってシュートを放つも枠を捉えることができなかった。前半終了間際にも早川隼平選手が相手のミスパスを拾い果敢にドリブルで駆け上がりカウンターからシュートを放つも決めきれず、スコアレスで前半を折り返した。

先にベンチが動いたのは浦和だ。ハーフタイムに、酒井宏樹選手と早川隼平選手に替えて明本考浩選手と日本代表欧州遠征から帰国したばかりの伊藤敦樹選手をピッチへと送り込んだのだ。前半で京都の体力を奪い、ハイプレスが掛からなくなったところでの後半勝負だ。狙い通りに後半の立ち上がりから浦和が、攻守において自分たちのリズムを作り出していった。

すると京都は、54分に麻田選手を投入して3バックへと変更し、浦和が攻勢を仕掛けると5DFとなりボールサイドへとスライドしながらサイドのスペースを消しにかかってきた。だが、浦和は動じない。ピッチの幅をうまく使い揺さぶりをかけていった。京都が後半に放ったシュートは3本、浦和はなんと11本だ。

66分のホセ・カンテ選手、75分と79分の途中出場のブライアン・リンセン選手、同じく途中出場の興梠慎三選手の88分と再三決定機を作り出すものの決めきれず・・・。新潟戦に続き痛恨の引き分けとなってしまった。

75分の岩尾選手のロングフィードにタイミング良くDFの背後に抜け出したリンセン選手のプレーは、VARの対象になっても良かったのではないかと思ってしまう。粘り強くリンセン選手はバランスを崩しながらシュートを放っていたが、明らかにペナルティーエリアないで後方からユニフォームを引っ張られていた。「PKだ!」と叫びたくなるし、憤りを感じ勝てた試合を落とした虚しさでいっぱいになってしまった。

足取り重く記者席を立ち上がると、浦和のゴール裏から『赤き血のイレブン~♪』の歌声が響き渡ってきた。この歌声にどれだけ勇気づけられたことか!下を向いている場合ではない。9月20日には、ACLグループステージ初戦となるアウェイ武漢戦があるのだ。しっかりと切り替えて武漢へと選手たちには乗り込んでもらいたいものだ。

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