浦レポ by 浦和フットボール通信

突破できたのはOK 結果の上ブレを引いているうちに・・・【轡田哲朗レッズレビュー/ルヴァン杯清水戦】

(Report by 轡田哲朗)

突破条件を満たすかどうか他会場も気にするのは面白さの1つ</h2<

浦和レッズは6月18日のルヴァン杯グループステージ最終戦で清水エスパルスと対戦し、1-1で引き分けた。プレビューでも記していたように、最終戦は可能性が消滅せずに迎える限りにおいて突破の懸かった条件戦になる。もう1試合で川崎フロンターレが湘南ベルマーレに勝利したため、浦和、清水、川崎が勝ち点8で並ぶことになった。この大会は全体の得失点差よりも当該チームの対戦成績が優先されるため、この3チームにおける直接対決だけでリーグ戦表を作成すると浦和が勝ち点6、清水が勝ち点5、川崎が勝ち点4になり浦和が首位通過となった。

途中経過の時点では湘南がリードしていたので、浦和は引き分けでは2位になるが他グループの試合経過もトータルで見ると敗退が極めて濃厚だった。そのことで、勝ち越しゴールを奪えない試合展開に必要以上の焦燥感を持った可能性はある。ただ、マチェイ・スコルジャ監督は試合後のTVインタビューでは、川崎が逆転した時点で引き分けOKになっていたことを把握していたので、言葉も冷静だった。まあ、湘南を含む4チームはもちろん、私たちも含め仕事で関わるならこのような突破条件を試合前の時点で頭に入れておくのは普通なのだけど、こうした条件の満たし合いとか「今、どうなってるの?」という感じもまた最終戦の楽しみだと言える。

マチェイさんは試合前の記者会見の時点でメンバーを「ミックスだと言える」と話していたが、その言葉にウソはないもののAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝に向けて固めてきたのに近いメンバー、あるいは最近の傾向よりはマイボールを安定させる方向のメンバーにした印象だった。それと、鈴木彩艶を帰国から2日で使ったのは私にとっては小さなサプライズだったが、彼にとってはこのような大事なゲームを任せられるのも必要なことだろうし、悪いとは感じなかった。

色々な場所でバランスの悪さを感じる前半

この試合の前半は10分過ぎに関根貴大のクロスに大久保智明が頭で合わせる決定機があって、これは相手GKを褒めた方がいいと感じるような形でゴールにならなかったが、形自体はこれまでのゲームであまりない良いものだった。興梠が1人目の選手としてボールに飛び込んでくる背後に大久保が飛び込んできたので、相手のマークも少し外れやすくなるし、ゴールを奪えるパターンになり得るもの。後半に明本考浩が合わせたものは少しニュアンスが違うけれども、あちらは人の配置とズレを利用してセンターバックとサイドバックの間にできるスペースに飛び込んで合わせるものだった。マチェイさんはクロス戦術に関して「中の選手が取るべき位置を決めている」というニュアンスの話をしていたことがあるので、少し整理された印象は受けた。

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