現実味のある条件を作った第1戦 攻勢防御の大切さをあらためて【轡田哲朗レッズレビュー/ACL決勝1stアルヒラル戦】
(Report by 轡田哲朗)
始動から意識してきた決戦にリーグ戦の「いつメン」を並べる
浦和レッズは現地時間4月29日に、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦でアル・ヒラルと1-1で引き分けた。2戦合計方式で今大会まではアウェーゴール方式も導入されていることから、初戦の結果としてはかなり良いもの。とはいえ、勝利ではなく引き分けに変わりはないので60対40で有利と言えるほどのものではなく、55対45くらいの優位性を手にしたくらいの受け止め方が良いだろう。
このゲームはマチェイ・スコルジャ監督が出発前に「浦和レッズでの初日から、ACL決勝のことは意識していました。そして沖縄キャンプが始まった頃から、そこに向けて全員でハードワークしてきました」と話していたように、ちょっとしたチームのダイナミズムを犠牲にしてでもリーグ戦を固定傾向のメンバーで戦ったことの意味を示すように、普段のメンバーが並んだ。
そして、3人+1人の外国籍選手枠の使い方は、アレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンをスタメンにして、ホセ・カンテをベンチに入れた。一方のアル・ヒラルはそこが読めなかったが、アタッカーに3枚の枠を使って最終ラインに韓国人のチャン・ヒョンスを使うことになっていた。
ジリ貧になった序盤と、勇気を与えた決定機
立ち上がりはマチェイさんが記者会見で「失望した」という言葉を残していたように、ジリ貧を絵に描いたような展開になった。アル・ヒラルのマイボールはセンターバック2枚とダブルボランチがやたらと近接して始まる。浦和は普段通り4-4-2のブロックから整理して前に押し出そうとしたが、ポイントを作れないので前の2枚と中盤のラインが大きく開いた。そうなると、アル・ヒラルは後ろでボールを失うパターンがない上で、悠々と前進してくることになる。その結果として浦和のブロックはさらに下がっていき、奪ったボールをつなごうとすると手前が異常に狭い状態になって、セカンドボールを競り合う位置に人がいることもできないという、最悪のスパイラルに陥った。
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