浦レポ by 浦和フットボール通信

様々な変化に動じずに勝利 気になる2列目の得点力【轡田哲朗レッズレビュー/J第8節札幌戦】

(Report by 轡田哲朗)

埼スタリニューアル初戦、右サイドバックは明本の起用に

浦和レッズは4月15日のJ1第8節で北海道コンサドーレ札幌とホームで対戦して4-1の勝利を収めた。昨年末から芝生の全面張替えを伴う改修工事をしていた埼玉スタジアムのリニューアル初戦であり、38000人を超えた入場者数は今季のJ1で現時点での最多記録になった。天候が悪くなければ4万人オーバーは確実だったので少し残念だったが、良い形で試合を終えられたのは喜ばしい。未明から雨が降り始めて試合が15時キックオフだったが、雨の勢い自体はそんなに強いものではなかった。しかし、芝は試合中から水しぶきが上がるようなところが見えて、全体に深めの印象もあった。このまま梅雨の時期やゲリラ豪雨が来たタイミングを乗り越えられるかは疑わしいものの、それまでには数カ月あるのでさらに根付いていくだろうし、全体的にピッチも強くなっていくだろう。そのような天候だったので配備されたスプリンクラーも登場の機会がなかったが、それも含め今後が楽しみなところも残った。

酒井宏樹が負傷離脱しているので、右サイドバックの人選はポイントだった。マチェイ・スコルジャ監督は馬渡和彰と明本考浩のどちらを起用するかをオプションとして考え、明本をチョイスしたことを試合後の記者会見で話している。また、ダヴィド・モーベルグがベンチメンバーに戻ってきて、攻撃的なカードとして送り込まれることになった。結果的にホセ・カンテは退場処分になり、モーベルグは後半アディショナルタイムでゴールに絡んだ。また、札幌は浦和がボールを持った時にはマンツーマンで人に合わせてくるので、大雑把なペアリングを布陣図で表現するとこのような感じだった。

試合全体で言うと、退場者が両チーム1名ずつ。ゴールやレッドカードに関わる決定的なビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の介入が3回あり、後半のアディショナルタイムは10分もあった。そうした意味では試合全体がバタバタしたものになったのは否めないが、マチェイさん含めたベンチ、ピッチ上の選手たちがそれに動じることなく試合を進めていたことは評価されるべきだろう。

理に適った押し込み方と、圧縮された中で何かをできる選手はいたか

試合の入りで言うと、浦和も札幌もそれなりに狙いとしていた部分を表現したと言える。浦和は2列目から前が頻繁にポジションを変えることで、マークをしている選手たちもポジションを入れ替えていく状況を強いて、札幌のバランスを崩しにかかった。もう少し大胆な前後の入れ替わりがあっても良さそうな気はしたが、西川周作も使いながら前進していく部分でそんなにおかしなことになる気配はなかった。

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