札幌を攻略したアレクサンダー・ショルツの「すべてを変えるゴール」【河合貴子 試合のポイント/J第8節札幌戦】
(Report by 河合貴子)
埼スタリニューアル初戦を勝利で飾る
冷たい雨が容赦なく降り続く中、リニューアルした埼玉スタジアム2002に北海道コンサドーレ札幌を迎えた。赤き魂こもった浦和のゴール裏には、『URAWA』のビジュアルサポートが出現し選手たちを鼓舞していた。
マンツーマンDFで来る札幌の守備に対して、流動的にポジションを代えながら揺さぶりを掛けていく浦和であったがゴールネットを揺らすことができなかった。一方の札幌は、逆サイドへと飛ばしのパスを入れてカウンターを仕掛けてきた。だが、34分に中村選手が退場すると立て続けに浦和が決定機を作り出すも決めきることが出来ずに、前半をスコアレスで折り返すことになってしまった。
退場者が出ると心理的なものがピッチでは大きく影響するものである。数的優位で主導権を握る浦和は、ゴールはいつか決まるだろうという甘さが出がちになる。逆に、前半を無失点でしのいだ札幌は、守り切れる自信が深まるものだ。ハッキリと言って、この流れは嫌だった。数的優位なのに決めるべきシーンで決めないと、札幌に守り切られてしまうか、カウンターの1発を決められてしまうか、雨の中で事故のような失点もあり得る。悪いイメージばかりが頭を過ぎるハーフタイムだった。
後半の立ち上がりから主導権を握ったのはもちろん浦和だ。しかし、退場者が出てから札幌は、5-3-1のシステムにして前線の浦和の選手たちに張りついていた。それが後半になるとよりマンツーマンが厳しくなりながらもコンパクトにして距離感よく守ってきた。そして鋭いカウンターを仕掛けてきた。
浦和は64分にホセ・カンテ選手を投入し4-4-2とシステムチェンジをし、後方から攻撃を組み立てながら我慢強く揺さぶり続けたがなかなか崩しきれないでいた。この嫌な流れを払拭してくれたのが、アレクサンダー・ショルツ選手であった。
(残り 1277文字/全文: 2062文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ