浦レポ by 浦和フットボール通信

レッズレディースが前半2点リードも後半に追いつかれて相模原とドロー決着【河合貴子 今日のポイント/WE13節相模原戦】

(Report by 河合貴子)

2点のリードを守れず

初代WEリーグ女王を獲得するために、リーグ後半戦で巻き返しをもくろむ三菱重工浦和レッズレディースは、相模原ギオンスタジアムに乗り込んでノジマステラ戦に挑んだ。強風が吹き荒れる中、風上に立った前半の立ち上がり浦和らしく主導権を握り7分に猶本光選手が左サイドから中へ切れ込み柴田華絵選手へと預けると、柴田選手がDFを引きつけたマイナスパスを思い切りよく振り抜き、豪快なミドルシュートが決まった。

そして、その2分後、猶本選手のスルーパスに抜け出した菅澤優衣香選手を飛び出したGK久野選手が倒してしまいPKを獲得。これを菅澤選手が冷静に決めて2-0と相模原を突き放した。畳みかけるような得点で先手を取った浦和は、さらに追加点を狙い攻勢を仕掛けていった。

前半に浦和が放ったシュート9本に対し、相模原は1本と浦和のペースで進んだが、久野選手の好セイブに阻まれてしまい3点目が奪えない。楠瀬監督は「レッズレディースのサッカーからすると、裏に出てもボールが流れていかないので、風に向かう方がやりやすい部分がある」と話していたが、風上になった相模原がビハインドをひっくり返そうとアグレッシブに前線からプレスを掛けてきたのだ。

相模原の激しいプレスによって、浦和は狙いとするDFの背後にボールが供給できなくなってしまった。そして49分、浦和に不運が襲った。後方から攻撃を組み立てようとボールを保持し、パスを受けようとした安藤梢選手が、思わず足を滑らせてしまった。流れたボールを佐々木美和選手に拾われ2-1。勢いづく相模原は、63分には浦和の右サイドを出き村選手に突破されて上げられたクロスのこぼれ球を拾った小林選手のシュートが脇坂選手に当たり、コースが変わったボールは池田咲紀子選手の逆を突きゴールへとバウンドしながら転がっていった。

何とも言いがたい2失点であった。不運も重なってしまったが、相模原がアグレッシブに仕掛けてくることをうまく逆手にとってゲームコントロールをしたいところであった。

最後の笛が鳴るまで浦和もボールを保持し攻勢を仕掛けたが、1点が遠く2-2の痛み分けとなってしまった。楠瀬監督は「悔いが残る」と眉間にシワを寄せた。

2-1になった5分後に、池田選手のビルドアップを菅澤選手がしっかりと収めて、スルーパスを清家貴子選手へと送りGKと1対1の決定機を迎えるもの決めきれなかった。試合を通して決定機が多かっただけに、3点目が獲れずに相模原を勢いづかせてしまった。『2-0は危険なスコア』といわれる心理戦にはまってしまった感じだ。

楠瀬監督は「相模原は足が止まらず、基本的な部分で走り負けした」と下唇を噛みしめて「相手が風上に立って気持ちも体力も上がってきたという感じを受けた。風下のやりにくさはなかったのですが、相手のスピードなどに押されて得点が動いてしまったという印象だ」と話した。

キャプテンの柴田華絵選手は「ノジマさんの方が、前にハッキリとしたプレーが多かった。それに対して迷ってしまった。どういう戦い方をしないといけないのか・・・。それをもっと整理してやれれば良かったと思う」と話した。

勝ちきれなかった悔いが残る相模原戦であったが、アウェイで貴重な勝ち点1を手にした。首位を独走するINAC神戸とは勝ち点9差だが、5月14日には国立競技場で直接対決が待っている。それまでは、無敗で勝ち点を積み上げていきたいところだ。可能性がある限り、浦女たちは全身全霊で勝利を目指していく。

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