浦レポ by 浦和フットボール通信

段階的な修正と整理、勝ち点の帳尻を合わせた重要なゲーム【轡田哲朗レッズレビュー/J25節徳島戦】

(Report by 轡田哲朗)

3位グループについていく大事な勝利

浦和レッズは21日のリーグ戦、徳島ヴォルティス戦に1-0で勝利した。この勝利で残手3位との勝ち点3差はキープしたし、この3位を狙うグループのチームが直接対決で決着がついた試合を除けば勝利を収めているタイミングだったので、厳しい試合内容でもその結果の帳尻を合わせたという点で重要な試合になった。

この試合はハーフタイムで江坂任を投入したところからシステムを4-3-3に変えたという声もあるけれども、それが相手ボールの時の修正であるなら前半の飲水タイムの時点で手を付けているし、攻撃のことで言うとまた違うので、その表現はダウトではないかなと思う。放送席での言葉なのか、選手交代という分かりやすい変化なのか、何に頭が引っ張られたのかは分からないけれども、その辺のところはリカルド・ロドリゲス監督がうまくやった部分も少なからずあるし、役割に対して選手の向き、不向きみたいな部分も少し影響した感はあった。

最終ラインにアレクサンダー・ショルツがスタメン出場し、サイドハーフは右に田中達也で左に汰木康也。そして、2トップの一角に関根貴大という並びだった。リカさんのチームは、特に攻撃時は役割がボールの位置や相手の状況、試合展開によって変わることがあるけれども、相手ボール時のベースは一貫して4-4-2のブロックにあって、それはこの試合も一緒だった。そのベースから相手に対応する部分の「1コマ」を切り取って「システムを変えた」という表現になるかというと、ちょっと「うーん」というところがある。

後から出ていくか、先に立っておくかの違いでかける修正

スタートから徳島は右サイドバックを前に出す横ズレ型の3バック変化でボールを運ぶ意図があり、浦和は2トップなので1人足りなくなる。大まかな役割として、ユンカーがカカ、関根が福岡に出ていって、ジエゴにボールが渡るタイミングで田中が1列目の守備に参加するというメカニズムだった。つまり、一度4-4-2のブロックになったところから、田中は遅れて出ていくことになる。しかし、徳島はジエゴにボールを回してくる回数が多かったし、この遅れのタイミングで裏返されるような場面が多くなった。

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