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【島崎英純】2025Jリーグ第11節/浦和レッズvs横浜F・マリノス・試合レビュー『基盤となるストラクチャーを武器に、3連勝を成し遂げる』

©Yuichiro Okinaga

慎重なブロック形成

Never change a winning team』。

浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は3戦連続でチーム編成を代えなかった。スターティングメンバーはもちろんのこと、ベンチ入りメンバーの陣容も同じで、現状はこのスカッドにかなりの手応えを感じていることがうかがえる。

今節の対戦相手である横浜F・マリノスは試合2日前にスティーブ・ホーランド監督の解任を決断し、浦和戦は暫定でパトリック・キスノーボ・ヘッドコーチが指揮を執ることになった。相手チームの急遽の体制変更は対戦する側にとって予測しづらい事態が生じる。指揮を執る者が代わればスターティングメンバーを再考するだろうし、戦術・戦略に手を加える可能性も少なからずある。ただ、キスノーボ・ヘッドコーチには僅か2日間の猶予しかなく、出来る手段は限られていたはずだ。その結果、前節の清水エスパルス戦からは2人のスターティングメンバー変更に留まった。しかし、その中のひとりは直近の5試合で先発出場が僅か1試合だったFWアンデルソン・ロペスだった。守備の梃入れを名目にチーム改革を進めていたホーランド監督体制下で今季8試合1得点と精彩を欠いていたロペスの先発復帰には横浜FMが苦難の末に解決策を導きたい思いが透けて見えた。また、右サイドMFで先発した宮市亮が試合開始早々に長沼洋一との空中戦で側頭部を痛打して交代を強いられ、代わりにヤン・マテウスが途中出場したことも外国人選手の高いポテンシャルを生かす過去への回帰を想起させた。ただし陣容を元に戻してもすぐさまチームスタイルをリバイバルさせることはできない。前体制からの脱却を目論み、チームも選手も主体的にプレーしようとする意欲を感じさせた横浜FMだが、実情はこれまでの残り香を漂わすチーム戦術と、マテウス以外は本調子を取り戻せていない外国人選手の現況が相まって周囲に淀んだ空気を纏わせていた。

【2025Jリーグ第11節/浦和レッズvs横浜F・マリノス・スターティングメンバー】

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