【島崎英純】2023AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節/浦和レッズvsハノイFC・試合レビュー『万全の陣容で臨み、ベトナムの雄を寄せ付けず大勝!』

©Yuichiro Okinaga

明確に表れた差

休養だけがコンディション向上の手段になるとは限らない。AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節のハノイFC戦は浦和レッズのホームゲーム。前戦のJリーグ第29節・横浜FC戦も同じくホーム・埼玉スタジアムでの開催で、インターバルは中4日あった。また浦和は今週末にゲームを予定しておらず、次戦は10月11日のYBCルヴァンカップ・プライムステージ準決勝の横浜F・マリノス戦になる。このゲームまでは1週間のインターバルを得られるわけで、今週から来週にかけてはコンディション面の負担が少ない。

常時試合に出場している選手はある程度の間隔でプレーし続けたほうがコンディション調整し易いとも聞く。マチェイ・スコルジャ監督が昨季のベトナムVリーグチャンピオンのハノイFCと戦うに際してほぼベストメンバーを送り出したことはある意味理に適っていて、序盤から浦和が攻勢を仕掛けることも織り込み済だったかもしれない。

日本代表に選出されるなどして過密日程をこなしてきたMF伊藤敦樹はベンチスタートとなったが、その代わりを安居海渡が務めることで補完し、前線は右に髙橋利樹、左に関根貴大、トップ下に小泉佳穂という2列目ユニットが形成された。そしてリーグ戦2試合出場停止中のホセ・カンテが1トップに入る十全なアタッキング布陣はハノイFCを自陣に押し留めるに十分な迫力を醸した。浦和はFWブライアン・リンセン、MFアレックス・シャルク、MF大久保智明、MF中島翔哉、MF安部裕葵、DF明本考浩ら数多くの選手を怪我で欠いているが、それでもギリギリの戦力でリーグ、ACL、ルヴァンの各大会を戦う陣容を組み上げている。

一方のハノイFCは、まだ国内のリーグ戦が始まっておらず、今季初戦がACLグループステージ第1節の浦項スティーラーズ戦だった。この試合を2-4で落とした彼らは約14日間のインターバルを経て今回の浦和戦に臨んだ。当然事前に日本へ入国して万全の調整を施したとも思うが、それでもチーム全体の戦術、各選手間のコンビネーションなどはこれから成熟していくものと思われ、実際にゲームが始まってからのハノイの選手たちは積極的に前へ打って出る姿勢を示しながらも全体がスムーズにシフトチェンジできないような挙動で、早々に浦和に試合の主導権を握られてしまった印象がある。

【2023AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節/浦和レッズvsハノイFC・スターティングメンバー】

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