【島崎英純】2023Jリーグ第3節/浦和レッズvsセレッソ大阪・試合レビュー『圧倒的ホームの中で掴んだ今季初勝利』

©Yuichiro Okinaga

求められた勝利への姿勢

 事前にスターティングメンバーの変更を示唆していたマチェイ・スコルジャ監督の選択は1トップをブライアン・リンセンから興梠慎三に代える一手のみだった。それ以外はJリーグ第1節のFC東京戦、同第2節の横浜F・マリノス戦と変わらず不動のメンバーが並んだ。思えばスコルジャ監督は今シーズン始動直後の沖縄キャンプでも、かなり早い段階からチーム内の序列を定めていたように感じた。この指揮官は自身が見初めた選手に全幅の信頼を置く。一度や二度のミスや不満足なプレーが見られても簡単には見限らない。ここで試されるのはスターティングメンバーたちの自覚と、バックアッププレーヤーたちのリバウンドメンタリティだ。開幕から僅か3戦目にして、浦和の新監督の個性が明確に表れている。だからこそ、連敗で迎えたホーム開幕の第3節・セレッソ大阪戦を落とすことは絶対に許されない状況だった。

 スコルジャ監督はシステムも無闇にいじらない。結果が出ない中では試行錯誤も必要だが、この指揮官はその佇まいと同様に有事にもどっしりと構えている。もちろん、このまま明確な結果を得られなければ強烈な批判に晒されるだろう。一方で、チーム構築の過程で確信的な方針と考えがあるのならば、その信念を貫いて正解を導き出す筋道もある。

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