日々雑感―宇賀神友弥『情熱の源』

©Jun Kataoka
皆に支えられたからこそ
宇賀神友弥は、客観的な見方で物事を捉えられるだけでなく、そこに熱い情熱をも込められる稀有なプロサッカー選手だった。したがってメディアは重要な試合の後にこぞって彼の元へ殺到し、コメントを求めた。その際に、宇賀神は表面的な事象を連ねることなく、ときに真摯に、ときにユーモアを交え、そしてときに厳しい提言をしてその期待に応えてくれた。周囲を気遣い、他者を敬い、それでも自身の感情に素直で、野心を絶やさない。そんな彼の人物像が形成された背景には、それなりの理由がある。
浦和レッズの下部組織で育ちながらもトップチームへの昇格は叶わなかった。同期の堤俊輔、西澤代志也(沖縄SV)、小池純輝(東京V)が浦和のユニホームに袖を通す中で、彼は流通経済大学への進学を選んだ。
ただ、当時の宇賀神の家庭環境は複雑で、安易に大学進学を選択できる状況ではなかった。以前のインタビューで、彼はこんな話をしてくれた。
(残り 2432文字/全文: 2914文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ