慎重さが勝利に直結せず、味スタアウェーはドロー決着【島崎英純】2018Jリーグ第1節・FC東京戦レビュー

予想通りの布陣

 2018シーズンの幕開け。浦和レッズは味の素スタジアムでFC東京と対峙して今季の公式戦初戦に臨んだ。

 今季の浦和はAFCアジア・チャンピオンズリーグの出場権を逃したことから、Jリーグ、YBCルヴァンカップ、天皇杯の国内主要3冠を目指す戦いとなる。また昨季は12月12日のFIFAクラブワールドカップ5位決定戦のウィダード・カサブランカ戦が最終のゲームで、約1か月間のオフ期間を経てから約1か月のキャンプ期間を設け、沖縄県島尻郡八重瀬町での二次キャンプを2月11日に打ち上げてから今回のFC東京戦までは13日間のインターバルがあった。これは、ここ数年に比べればかなり緩やかなスケジュールで、今後、ロシア・ワールドカップ開催による過密日程の影響を受けるとしても、チーム構築を進める上では余裕があった。

 堀孝史監督は一次、二次のキャンプで体力強化と戦術熟成を進め、計5試合のトレーニングマッチ(キャンプ終了後にも1試合を実施)を行って選手陣容の精査を進めてきた。その結果、FC東京戦でスタメンのピッチに立ったのは以下のメンバーだった。

 GK西川周作、DF宇賀神友弥、槙野智章、マウリシオ・アントニオ、遠藤航、MF青木拓矢、長澤和輝、柏木陽介、マルティノス、武藤雄樹、FW興梠慎三。

 また、ベンチにはGK榎本哲也、DF岩波拓也、平川忠亮、MF阿部勇樹、武富孝介、FW李忠成、ズラタン。

 右足関節捻挫が癒えた青木拓矢がアンカーで先発し、遠藤航が右サイドバックで起用された以外は予想通りの布陣だった。アンカーポジションも青木が万全であれば今布陣は十分に考えられたため、手堅い陣容という印象がある。注目は、キャンプで修練してきた形がピッチ上でどのように表現され、昨季との違いが明確になるか。攻撃、守備の両面においてブラッシュアップされた姿を見せられるかどうかが勝敗の鍵を握ると思われた。

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