【無料掲載】2016Jリーグ2ndステージ第11節・サガン鳥栖戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日のゲームは我々にとって非常に重要でした。もちろん、毎試合が重要なゲームですが、ここ最近の2試合では非常にいい戦いをした川崎戦で負け、アウェイの神戸戦では、あってはならないようなミスを繰り返す中で負けてしまいました。神戸戦も我々には十分に得点できるチャンスがあり、いい戦いができていましたけど、あの試合ではやってはいけないミスから失点を重ねてしまいました。そういう中で、今日のゲームで3連敗をしたら、年間順位や、セカンドステージを戦っていく上で非常に難しい状況になるところだったので、今日のゲームは難しかったです。

今日は3ポイントが求められたゲームでした。しかしながら、今日対戦した鳥栖はセカンドステージが始まってから、ガンバに惜しい敗戦をした以外は非常に素晴らしい戦いをして結果を残してきていました。規律といい守備からのカウンター、そしてロングボールでセカンドボールを拾ってからの二次攻撃と、チームとしての戦い方、狙いがまとまっている中でいい結果を残してきたと思います。そういうチームとの対戦ですので、我々にとって決して簡単なゲームではなかったことは確かです。

前からプレッシャーをかけに行くのか、あるいは引いてブロックを作って守るのか、そういった部分が非常に難しいゲームだったと思います。なぜなら、相手はGKに非常に長いロングボールを蹴れる能力があり、相手はGKに下げれば、我々の陣内の半分以上まで蹴るようなことができます。だからこそ、前からいくのか、引いて守るのかが難しかったです。

ただ、我々はしっかりと狙いを持って、メリハリをつけて、自分たちの狙いとする戦いができたと思います。そして、攻撃に関してはしっかりと狙いを持った攻撃の形から、素晴らしい2得点を決められました。もう少し、気持ち的に余裕を持ったゲームならば、もっと自分たちの狙いとするものが楽に出せたゲームだったと思いますが、こういう状況の中で選手たちがしっかりと結果を出してくれたことに関しては、選手たちに合格点をあげたいと思っています。

Q 得点を抜きにして、前半と後半ではどちらのほうがよかった?

試合の流れがありますので、どちらがよかったかを比較するのは難しいでしょう。相手は守備的に戦ってくる中で、フレッシュな状態であれば、我々の攻撃に対してまだ対応できうる状況にあると思います。後半のほうがチャンスを作れていたと思いますけど、我々がリードしている中で、相手も出てこなければいけない状況の中で我々がスペースを得られたということもあると思います。試合の流れや展開の中で、変わってくることがあるので、前半がよかった、後半がよかったというのはなかなか比較しづらい部分があるでしょう。

今日のゲームは非常に走らなければいけないゲームでした。この気温の中で守備、攻撃と走り回るのは簡単ではなかったと思います。鳥栖がロングボールを多く蹴る中で、出所にいかなければディフェンスラインが下がってしまって、深い位置までボールを蹴られてしまいます。そして、セカンドボールを拾われれば、事故も起こりがちになります。その意味で、前にプレッシャーにいかなければいけない部分もありますけど、頭を越えて長いボールを蹴られれば、セカンドボールを拾いに戻らなければいけません。そしてボールを奪ってから、さらにスペースに出ていかなければいけないという、選手たちにとっては非常に過酷なゲームだったと思います。運動量、球際、セカンドボールの部分の戦いにおいても、選手たちは規律を持って戦ってくれたと思います。

今日のゲームで勝利できたのは非常に重要だったと思いますし、勝利できたのはよかったです。我々はFC東京とのアウェイゲーム、そして広島、ガンバとのホームゲームと、重要なゲームが続きます。その前に、連敗した後の試合を勝利で終えられたのは、選手たちにとって自信につながると思います。

もう1つ、名前は言わないですけど、交代で入った選手のプレーに関しては、私は非常に不満を持っています。そのことが見られたのも、大事な次の3試合を迎える上で重要なことだったと思います。そのことは私だけでなく、選手自身も自分で感じ取れたことだと思います。よくなければ、日々のトレーニングを大事にして、しっかりトレーニングするという、自分の原点に立ち返ってやってほしいと思います。

正直な話ですけど、選手が代表チームから帰ってくると、なかなかその選手の次の試合への持っていき方が難しいところがあります。たとえば、遠藤選手はオリンピックに行って、その後に代表にも入って、ほぼチームでの練習ができないまま、ここまで来てしまいました。彼がやるポジションはチームの練習でのすり合わせが大事であり、1つのミスが失点になりかねないようなポジションだからです。チームを離れる選手が多くなる、あるいはそういう選手が長くチームにいない状況は、我々にとって決して簡単な状況ではありません。

ただ、今は次の3試合の前にトレーニングできる時間が十分に取れますので、その時間をしっかりと使いながら、戻ってきた選手たちと残った選手たちとともにいい練習をして、いい準備をして、次の戦いに臨みたいと思っています。代表チームの選手が戻ってきてチームの戦いに戻る時、監督としてそこに持っていくのが簡単ではないのは先ほど言った通りです。気持ちの切り替えだったり、戦い方だったりという部分は代表と我々では違うからです。

ヨーロッパで戦うボルシア・ドルトムントやACミランの選手たちと、Jリーグの選手たち、それぞれが簡単ではないと思いますけど、我々の選手たちも含めて、代表から帰ってきた後、選手がいかに切り替えて、自分たちのJリーグの戦いにしっかりと準備をして臨んでいけるかは、これからの日本のサッカーの中でも我々を含めて課題としていかなければいけないことだと思います。

我々は試合前日に、必ず会見をしますが、だいたいいつも10人、多くて20人のメディアが来ます。だいたい試合について話をして、その後はメディアの方が質問をします。昨日は初めてか、あるいは稀な状況でしたけど、まったく質問がありませんでした。今日も質問はあまりなさそうですが、なければないでいいですけど(笑)。

« 次の記事
前の記事 »