【無料掲載】2016Jリーグ1stステージ第16節・サンフレッチェ広島戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日のゲームは負けてしまいましたが、両チームが非常に素晴らしい内容のあるゲームをしたと思います。立ち上がりの比較的早い時間で失点してリードされる展開になりましたが、前半は前から激しくプレスにいき、ボールを奪ってショートカウンターを仕掛けるという我々の狙いが出せた展開でした。そのなかで選手たちは落ち着いてゲームを進めてくれたと思いますし、前半で逆転することができました。

後半に入って、3点目を取れるチャンスはあったと思いますが、決めきれない状況のなかでCKから失点してしまいました。失点するまでは我々の狙いとするものが出せた、そういういいゲームだったと思います。2ー2になってから、選手たちは少し冷静さを失ってしまったという印象を受けました。攻撃的にいくなかで、慌てて仕掛けてボールを奪われ、カウンターを受けるシーンが増えてしまいました。広島がしっかりとした守備をするなかで、我々のあけた後ろのスペースを使って速攻をするというのは、彼らの得意とするところだと思います。我々はあの状況でも、落ち着いて試合を進める必要がありました。

Q 今日の試合をセカンドステージにどうつなげていく?

ここ最近、勝利から遠ざかっているなかで、今日は自分たちの調子がいいときのゲームが60分過ぎまではできていたと思います。ただ、そこから運動量が落ちていって、相手に隙を与えてしまうシーンが増えたと思っています。連戦の、あるいはこれまでのリーグやACLを通した疲労の蓄積が今は感じられます。シーズン中、どのチームにもこうした状況に陥ることはあると思います。

ただ、我々に関しては、5連戦を戦うなかで、それが望まないタイミングで来てしまいました。サッカーという競技で、ひとつのチームがこうした状況に陥ることはよくあることです。どのチームでもシーズン中にうまくいかない時期はあるものですが、我々にとって悪いタイミングで来たのも確かです。今は試合をして、リカバリーをして、移動をして、試合をして、という繰り返しのなかで戦っています。選手のなかには、代表で試合をしてきた選手もいます。なかなかコンディションが整わない選手がいるのも現実です。それが言い訳にならないのは分かっていますし、自分たちがパニックになっても、慌てても、何も救いにならないのは確かです。

とにかく、今置かれた状況のなかで、我々には来週水曜、土曜と試合がありますけど。この状況を歯を食いしばって乗り越えていくしかない。この連戦が終われば通常に戻りますので、回復とトレーニングを重ねながら、しっかりとチームを立て直したいと思っています。

今日の、我々の60分過ぎまでの戦いをできるだけ長くしていきたいと思っていますし、次の試合で70分でもこうした戦いができれば、結果は我々のほうに傾くかもしれません。その時間をできるだけ長くできるよう、チャレンジしていきたいです。私自身は結果が出ないからと言って、自分たちのやり方を変えたりはしません。我々のやっているサッカーは、これからのサッカーのトレンドが進む方向に間違いなく向いているはずです。だからこそ、結果が出ないからと言って、私はそれを決して曲げたりはしません。私はやり続けます。私は結果を恐れて、自分のやり方を曲げる監督ではありません。

苦い過去の経験ですけど、広島時代には降格という厳しい結果も味わいました。それでも我々はボールをつなぎ、攻撃的に行くというやり方を貫いてやってきました。私は監督である限り、自分のやり方をしっかりと持ちながら、続けていきたいと思っています。監督として常に持っている自分の哲学は、自分の考えをやり通すことです。それで結果が出なかったとしても、自分自身がそれをやりきったということは自分のなかに必ず残るものです。結果が出ないからと言って、自分の考えていることを変えて続けたとしても、いずれ私がこの立場を去ることになった時に後悔するでしょう。だからこそ、私はやることを曲げません。とにかく自分の考えすべてを持って、残りの2試合を戦いたいと思っています。

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