【無料掲載】2016Jリーグ2ndステージ第9節・川崎フロンターレ戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日は両チーム、素晴らしいゲームをしてくれたと思います。日本でも最高峰、稀に見る素晴らしいレベルの高い戦いであったと思っています。我々は敗戦したので、その後にコメントするのは簡単ではありません。

私は浦和の監督なので、客観的に見られているかは分かりませんけど、我々のチームは非常にいい戦いをしてくれたと評価しています。相手にとって危険となる攻撃を、アイデアを持って何回も仕掛けることができたと思いますし、決定機も多く作ることができました。

ただ、こういった重要な試合で非常にナイーブな失点を2回してしまいました。反対に、多くある決定機を決められずに負けてしまいました。こういった重要なゲームの中で、チャンスを決められない、あるいは逆に相手の少ないチャンスでゴールを決められてしまう、そういう試合をしてしまっては結果に結びつけることは難しいでしょう。そういった部分が今日の勝敗を決定づけたと思います。内容的には相手を十分に上回れていたと思いますが、残念ながら最終的にはサッカーは結果でしか評価されないというのは確かです。我々は結果を求めて戦いましたが、残念ながらその結果を出せないゲームになってしまいました。

Q 残り8試合で今日の敗戦を取り戻すために、監督はチームに対してどのようなメッセージを送る?

今日の敗戦をもって我々は再び、前節の状況と同じようなシチュエーションになりました。ただ、残り8試合がある中で、決して今日の負けですべてが決まったというわけではないでしょう。Jリーグは各チームの力が非常に拮抗しています。残りの8試合で何が起こるか分からないというのは間違いないでしょう。

我々としては、相手チームがどうということではなく、とにかく自分たちは目の前の相手を倒しにいくことに集中したいと思っています。今日は残念ながら結果を出すことができませんでしたが、自分たちの試合内容を見れば、負けた中にも光を見出すことができるでしょう。

我々が目指すところは、チャンピオンシップで優勝することです。もちろん、年間勝ち点1位を目指して残り8試合を戦っていきます。ただ、昨年の経験から言えることは、大切なのはいかに最終的にチャンピオンシップというタイトルを手にするかということです。そこを求められているのが浦和だと思っています。そういった目標をしっかりと見据えた上で、今後を戦っていかないといけません。今後の8試合の中で年間勝ち点1位を狙っていくが、チャンピオンシップを見据えて戦っていかなければいけないということを監督としてしっかりと考えないといけないと思います。浦和というクラブはサポーターも含め、求めているのはタイトルです。

1stステージ、あるいは2ndステージを取ったとしても、あるいは年間勝ち点1位を取ったとしても、求められるタイトルを手にできている訳ではありません。昨年の経験から学んだのは、いかに最終的にチャンピオンシップで勝利するか。それが最終的な目標です。そこを目指して、しっかりと今後も戦っていきたいと思います。

Q 内容と結果が一致しないゲームで悔しい思いをしていると思うが、監督はこの悔しさをどう乗り越えていくか?

今シーズン、我々は鹿島、ガンバ、広島と3連敗したときがありました。そういうネガティブな結果が続いてしまうと、特に浦和の場合、非常にネガティブな雰囲気になってしまいます。ただ、そういう中で私が監督として仕事をしたのは、そういったネガティブなパワーをいかに選手に近づけないか。私は中国の万里の長城じゃないですけど、いかに選手たちをしっかり壁で囲って、ネガティブなものを選手たちに触れさせないかということを監督として意識しています。

それは私自身、過去に多くの素晴らしい指導者、ほとんどの方は亡くなりましたけど、彼らから学んだことです。結果が悪くなった時に、一番悔しいのは選手たちです。その選手たちに、さらに外からのネガティブなものを注いではいけない。負けた中にも必ず自分たちが前向きに捉えられる部分はあるはずです。そこを見つめて、前を向いていかなければ、深みにはまってしまうのが我々の世界です。

勝っている時というのは、すべての人たちが称賛してくれています。ただ、負けた時は、誰が自分たちの本当の味方なのか、あるいは負けた時に自分たちがどういう振る舞いをするか、そういった部分は非常に大事になってきます。監督として選手に働きかけるのは、必要以上にネガティブになるなとを選手に言いますし、反対に外のネガティブなものから選手を守るのも私の役割です。3連敗の後、我々はいい形でここまで負けなしという結果を続けてきました。それは負けた時に自分たちがどう行動するか、立ち振る舞うか、に表れています。

今日、我々は負けましたけど、負けた中にもいい部分は必ずあったはずです。もちろん、反省するべきところは反省する中で自分たちがしっかりと前を見つめて、必要以上にネガティブにならずに進んでいくことが大事です。そういったものを私自身、しっかり頭に入れて、来週からの仕事につなげていくことが必要です。

この4年半の間、チームは毎年上位を争いながら、コンスタントな戦いを見せてくれています。今年も我々はタイトルを争っています。残念ながらこの4年半の間、我々はひとつもタイトルを取れていません。カップ戦でファイナルまで残りながら、あるいはリーグの最終節まで優勝の可能性を残しながら、残念ながらタイトルを取れていない過去がありますけど、選手たちは決して批判されるべきではありません。タイトルが取れないことに関しては、最終的には私の責任だと思っています。今年のチームは昨年以上のもの、素晴らしい戦いを見せていると思います。

私自身、タイトルを取れていないことにはもちろん満足はしていませんけど、私自身は浦和というクラブのために仕事をしているのは間違いありません。今日の負けで残りの8試合は我々が昨日よりも必ず強くなって戦うということ、それを今、強く思っています。

負けた我々が言うのはどうかと思いますが、今日はJリーグ最高峰の2チームによる素晴らしい戦いが見られたのは間違いありません。

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