【一部無料】2016Jリーグ1stステージ第4節・湘南戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
冗談からはじめましょうか、それとも評価から始めましょうか。今日のゲームはジャイアントキリングではないですけど、浦和が湘南に負けるのを期待して見に来られた方が多かったのではないかと思います。ただ、我々は今日のゲームで勝利できたことを非常に嬉しく思っています。もちろん、サッカーの世界では、俗に言う地方のクラブが大きなクラブに対して勝利することは見る側にとって期待したいところでもあります。今日の湘南にそれを期待していた方が多かったというのも、サッカーの世界ではよくわかる話です。その期待がなぜ起こるかと言えば、湘南がこれまで見せてきたアグレッシブな戦い方だったり、運動量の多さだったりが期待値を上げたからだと思いますし、彼らの強さは誰もが認めるところでもあると思います。

ただ、そうした湘南の強さを今日の我々は上回れたと思います。運動量の多さ、球際の激しさ、セカンドボールを拾う予測、そういう相手の強さである部分で我々は上回れたのではないかと思う。選手は立ち上がりからプロフェッショナルに、規律を持って戦ってくれたと思っていますし、奪われた後の切り替えの速さで相手にカウンターをする機会を与えなかったと思いますし、運動量の多さでも相手を上回れていたのではないかと思います。相手はプレッシャーがかかる中で、長いボールを蹴ることが多かったと思いますが、長いボールの競り合いにも勝つことが多かったと思いますし、その後のセカンドボールも我々が拾うことが多かったと思います。今日の試合に関しては、選手たちが非常にプロフェッショナルな戦いをする中で、勝利に値するゲームができた試合だったと思います。

もちろん、今日のゲームの中でも、修正するべきところ、もっと改善できるところがあったと思います。ただ、今日のゲーム、立ち上がりからアグレッシブにリスクを負って攻撃的なサッカーを貫いたことが勝利に結びついたと思っています。日本のサッカーの中では、0-0で進む中で守備的に戦い、相手のミスを誘ってカウンターから1点を取るようなサッカーが主流になっていますけど、我々は日本のサッカーをリードするチームとして、リスクを負って攻撃を仕掛けていくサッカーを貫いていきたいと思いますし、貫いていると思っています。

もちろん、そういう中で、負ける試合もあるでしょう。ただ、日本のサッカーの中で、アグレッシブにリスクを負って攻撃を仕掛けていくようなサッカーというのは、私は必要なことだと思っています。みなさんがそうした戦い方をするチームを後押しすることが、日本のサッカーをよくしていくことにつながっていくと思っています。

Jリーグの中でも、川崎は非常に素晴らしい戦いをしていると思います。リスクを負って、自分たちでボールを保持しながら攻撃的なサッカーをしています。そうしたチームが戦いの中でボールを失ってカウンターを受けて失点し、0-1で負ける試合もあるかもしれません。ただ、日本のメディアで、残念ながらよくあるのは、そうして負けてしまうと、勝ったチームを非常に称賛する傾向があることです。私はそうではないと思います。そうやって、リスクを負って攻撃を仕掛けていくチームというのは、特に負けたときに、みなさんがもっとポジティブに受け止めるべきだと、私は思っています。

Q 湘南の前に出てくる力をどう利用しようと考えていた?

ACLの関係で中国から帰ってきたのが、飛行機の遅延もあって深夜に羽田に着いたような状況だったので、選手には練習する時間はまったくないと伝えました。ミーティングの中で伝えたのは、奪われた後の切り替えでいかに我々がボールを早く奪い取るか、そのことによって相手のカウンター機会を与えないことが大事だということ。それは今日の試合で比較的うまくいったのではないかと思います。湘南との戦いの中で、奪われた後に相手に時間を与えること、あるいは奪った後に我々が相手に時間を与えてしまったら、難しくなると思っていました。いろんな対処の仕方はあると思うが、それが一つの対処の仕方だと思います。

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