【島崎英純】2015Jリーグ2ndステージ第14節・G大阪戦レビュー(2015/10/18)

試合開始から、両チームはお互いを様子見している雰囲気を感じた。最近の同カードはロースコアで試合終盤に試合が動き決着するケースが多い。1stステージ第9節ではタイトな神経戦の中で84分にズラタンが決勝ゴールを決めて浦和レッズが勝利している。早期失点は難しい試合展開になることを十分理解している。その影響もあって、両チームの選手は慎重に試合へ入っていったのだろう。

しかし相手の状況やプランニングなどを考慮しても、浦和の選手たちの動きは緩慢過ぎたように思う。浦和は10月3日のJリーグ2ndステージ第13節・サガン鳥栖戦から中13日、約2週間のインターバルを与えられて今一戦に臨んでいた。この間は日本代表がロシアワールドカップ・アジア2次予選などを戦うAマッチウィークで、浦和からはGK西川周作、DF槙野智章、MF柏木陽介の3人が選出され、彼らは今週水曜日に中東から帰国してチームに合流する強行軍だった。

しかし対戦相手のガンバ大阪は浦和とは比較にならないハードスケジュールの中で戦っている。G大阪も日本代表にFW宇佐美貴史、DF丹羽大輝、DF米倉恒貴、GK東口順昭の4人が招集され、米倉は疲労を考慮されてベンチ入りするだけに留まった。そもそも彼らは浦和が中断期間を過ごしている間、10月4日にJリーグ2ndステージ第13節・川崎フロンターレ戦(●3─5)、10月7日にヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦・アルビレックス新潟戦(●1─2)、10月11日に同準決勝第2戦・新潟戦(○2─0)を戦い、浦和戦に臨んでいるのだ。しかもG大阪は今節、パトリックと倉田秋という攻撃の核ふたりを累積警告による出場停止で欠いてもいた。両チームのコンディション状況、選手陣容の充実度には明確な差異があり、試合前から浦和が有利な立場にあるのは明らかだった。

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