【福田正博FUKUDA’S EYE】2015Jリーグ1stステージ第16節・神戸戦レビュー(2015/6/24)

気負いなく戦えていた神戸戦

ヴィッセル神戸戦の浦和レッズは非常に落ち着いていた。ステージ優勝が懸かっていたが、選手たちはそれをあまり意識していなかったように感じた。気負い過ぎず、かといって慎重過ぎることもなく、普段通りの戦いができていたように思う。

ただ、それでも浦和の試合序盤の入りはあまり良くなかった。神戸攻撃陣のマルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、小川慶治朗といったテクニックやパワーを備える相手を止めるのに苦慮した印象だ。またサイドの宇賀神友弥と関根貴大が相手に押し込まれて高い位置を取れなかったのも苦しい展開を生んだ要因だろう。神戸のネルシーニョ監督は浦和と同じ3−4−2−1システムを採用してミラーゲームに持ち込んだが、浦和はその対応に苦しんでいた。

また、今季の浦和はいくつかのゲームプランを封じられても、他に打開策を見出すことができる。今季ボランチでプレーしている柏木陽介が、その役目を十分に担っている。柏木はサイドが上手く機能しない際に中央でアクセントをつけたプレーをできる。前線トライアングルとの距離を詰めてコンビネーションを発動し、中央で局面打開を仕掛けて相手守備網が寄ってきた際にサイドへと展開できる。神戸戦でも柏木の機敏な判断で戦況を一変させるプレーがあり、浦和は神戸にチャンスを創出されながらも反撃の機会をうかがうことができた。

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