【島崎英純】2012天皇杯4回戦・横浜戦レビュー(2012/12/16)

動きの鈍かった選手たち

浦和レッズの今季最終戦は完敗で終わった。選手たちの動きは鈍く、相手に先手を取られ、守備を固められて成す術なく敗れた。勝利へのモチベーションは高かったはずだが、蓄積された疲労は如何ともしがたく、チーム戦術を全うできなかったのが勝敗に響いた。

横浜F・マリノスが実践した戦術、戦略はリーグ戦2試合の時となんら変わらなかった。システムは4-2-3-1で、浦和の1トップとインサイドハーフふたりには両センターバックとダブルボランチがスクエアで防御する形だった。中澤佑二と栗原勇蔵のふたりはタイトなマークを実行し、田中達也、柏木陽介、マルシオ・リシャルデスにほとんど仕事をさせなかった。柏木自身「前を向いてプレーできる場面がほとんどなかった。なので、達也さんに良いパスを供給できずに苦しかった」と述懐している。柏木の言葉通り最前線の田中はほとんどゴール方向を向いて勝負できず、後半の59分に交代するまでのシュートはわずか2本に限られた。それでも田中がこの日の浦和の最多シューターだったことが攻撃面の閉塞感を如実に示している。

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