【FUKUDA’S EYE】J1第32節・ベガルタ仙台戦レビュー(2011/11/22)

お互いにチャンスの少ない静かな試合展開

勝ち点1を取れたことが、大きな意味を持つ試合となった。自分たちが今後戦っていく上で、精神的に余裕を持てること、そして甲府に対してもプレッシャーを与えられたという意味で、勝ち点1を取れたことは非常に大きい。仙台は勝ち点3を奪うことが非常に難しい相手であり、実際にそのような試合展開となった。仙台のディフェンスは非常に強固だが、そこまで高い得点力を持っている訳では無い。勝ち点1を目指すためには、そこまで難しい相手では無いという話をプレビューでもしたが、その目的のために、上手く戦えた試合だと言える。

両チームともほとんど決定機が無く、雨の影響が大きく現れたピッチの問題もあったかも知れないが、残念ながらお互いに得点を奪いに行くような、スリリングな試合ではなかった。そうなった要因として、仙台が普段通りしっかりとディフェンスのブロックを築きながら戦いを進めたという部分が大きいが、浦和の側としても、無理して縦にボールを付けることで生じる、カウンターを受けるリスクを出来る限り減らそう、という意図があり、それがより、静かな試合展開を導いたと言えるだろう。

浦和としては、非常に慎重な戦いを見せた試合であり、その成果として勝ち点1を取ることが出来た。決して、勝ち点3を取りに行くようなサッカーでは無かったが、狙い通りに戦えた試合だと言える。試合後の選手たちのコメントを聞くと、啓太が最終ラインに入ったり、柏木が下がってくることで比較的ボールを回せていた、というようなことを話していたが、これまでと同様、相手が作ったゾーンの外側でしかボールは回っていないし、危険なところへボールを入れられてもいない。

(残り 2472文字/全文: 3184文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »