島崎英純・小澤一郎対談「育成重視のリーガのクラブの経営コンセプトをどうJリーグに役立てるか」第3回(2011/11/13)
今回浦研プラスでは新しい試みとして、サッカーライターの小澤一郎さんをお招きし、島崎英純との対談を行いました。題目は「育成重視のリーガのクラブの経 営コンセプトをどうJリーグに役立てるか」。ヨーロッパの中でも育成を重要視する国であるスペインの実情を小澤氏からお話しいただき、それをJリーグにど う生かしていくのか、という形で進めていきます。代表の活動でリーグ戦が中断している期間を利用して、全4回の予定でお送りします。
聞き手:浦山利史(サッカーを読む!Jマガ)
日本のスタジアムが抱える問題点
小澤「Jリーグは、スポンサーに外資を入れようというような動きはまだ無いんですか? 外資を入れないという取り決めがあるのは知っていますが」
島崎「今のところそういう動きは無いですが、そうした方向でも考えていかなければならないと思います。またドイツの話になりますが、ドイツも外資を入れずに運営しているんですよね」
浦山「ドイツはリーグの運営で大成功していますから、積極的に入れる必要も無いのかも知れません」
島崎「観客動員がとにかく凄いですね。現地でもチケットを取るのが本当に難しいです(最新の2010~2011年シーズンで、平均の観客動員数が4万2100人となっており、過去10年間右肩上がりに観客が増え続けている)。逆にイタリアは厳しいですね。ブンデスリーガの何が凄いのかというと、とにかくスタジアムでのホスピタリティが高いです。ドイツ人はお酒が好きな人が多いですが、スタジアムの中に居酒屋があるんです。下手をすると、そこでくだを巻いて酒を飲みながら、テレビで試合を見ている人もいますから。スタジアムなのに(笑)。
お酒だけじゃないですけど、日本でも自分たちの文化にあったスタジアム作りをして欲しいですね。浦和レッズの話をすると、埼玉スタジアムは埼玉県の持ち物なので、浦和レッズが自由に何かをやるのは難しい。以前、犬飼元昭さんが社長だった時には、スタジアムを全て真っ赤にして、売店なども自分で決めた店を入れようとしたようですが、結局自前ではないので思うように出来ませんでした。こんど、ガンバ大阪が新しいスタジアムを作ろうとしていますが、ソフトの問題では無くハードの問題が大きいと感じています」
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