【無料記事】「島崎英純」日々雑感-『浦研』配信継続のお知らせ(2011/3/14)

2011年3月11日午後2時46分。日本有史以来最大級と言われる東北地方太平洋沖大地震、いわゆる東日本大震災が発生した。

この時、私は自宅で週末に開催される予定だったJリーグ第2節、浦和レッズ対ガンバ大阪戦の試合プレビュー原稿を執筆していたが、突然の大きな揺れによって立ち上がることもできず、物が落ちる場所を避けて、ただその場に留まることしか出来なかった。また自宅は地震直後にすぐ停電してしまったため、テレビなどで周囲の状況を確認することも出来なかった。その後、15分程度経過した後にテレビの電源が点くと、そこには東北地方を中心とした沿岸部の街に大津波が押し寄せ飲み込まれていく、悪夢のような光景が画面に広がっていた。

この度の大地震で被災された方々、大津波によって被害に遭われた方々、そして今もまだ救助を求められている方々、今も様々な状況に直面し苦慮されている方々に対して、心よりお見舞いを申しあげ、ひとりでも多くの方々が救われ、また平穏な暮らしが送れることを願ってやみません。

今、私はとても胸が苦しく、憤りと自らの無力さを感じております。私が住む埼玉でも、今後は大地震、原子力発電所閉鎖などの影響により電力供給がままならず、節電を目的とした計画停電が行われる予定です。

しかし、今の私に出来ることは限られております。それは、この『浦研』がこれまで一貫して行ってきたこと。浦和レッズに関する情報、私なりの意見を出来るだけ皆さまに発信し、今後近いうちに必ず訪れる平穏な暮らしの一助になるような活動をすることだと思っております。

サッカーという競技は日々の幸せな生活なくして成立しませんが、一方で未来への希望を灯す、皆さまの活力を生む動機にもなります。

現在、海外では様々な国々で試合が開催され、日本人選手が出場していても、いなくても、各クラブ、選手たちから日本に対して温かいメッセージが送られています。昨日はオランダ・ロッテルダムのデカイプスタジアムで開催されたエールディビジのフェイエノールト対NACの試合をテレビで観ました。この試合には宮市亮選手がフェイエノールトの一員として出場しておりましたが、試合前のスタンドには多数の日本国旗が振られ、オランダの一般の観客の方々が身体全体で大震災、大津波に対する支援とメッセージを表していました。

是非皆さま、今こそ将来を見据え、今の苦難を乗り切るために、前を向いて歩きましょう。私も、そのための一助になるよう、この『浦研』の原稿を執筆し続けます。

ここで浦和レッズのチームの動向をお伝えします。チームは3月11日午前中に、翌日に開催される予定だったJリーグ第2節・G大阪戦に向けたトレーニングを行っていましたが、大地震発生により予定を変更いたしました。当初試合が開催される予定だった日は練習場である大原グラウンドに全員集合しましたが、全体練習は行わず、各自自主トレーニングに務め、その日は解散しました。そしてチームスタッフ、選手など、クラブの方々は今のところ全員無事が確認されております。私の下には幾人かの選手から連絡も届き、加藤順大はメールにて「チームの皆は大丈夫。心配しないでください」という返事が届きました。

今後、チームは大原グラウンドで練習を行う予定ですが、当面は練習が非公開となります。これは余震の発生状況等も考慮し、大原の施設全体の安全確認が取れるまでの措置です。皆さまご了承ください。また、埼玉スタジアム、大原サッカー場及びクラブハウス、オフィシャルショップ「レッドボルテージ」、浦和PARCO1階「レッズゲート」、レッズランドの各施設においては、現在のところ、大きな被害は報告されておりません。各種の今後の営業状況などについては浦和レッズのホームページをご確認ください。

さきほど、ドイツ・アウグスブルクでプレーする細貝萌からメールが届きました。彼の実家は群馬県ですが、家族の安否は確認できたそうです。ただ、東北地方の被災地域でプレーする友だちのサッカー選手たち数人とはまだ連絡が取れないようです。

細貝選手は自分がドイツにいることで日本の皆さまのサポートを出来ず、本当に悲しく、心を痛めていると記していました――。

今後も『浦研』では、出来る限り浦和レッズ、サッカーに特化した情報を発信し続けます。今後とも皆さま、どうかよろしくお願いいたします。

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