仙蹴塵記

明治安田生命J2第42節 町田戦・第一報 後半早々の連続失点が響き1-3で敗戦。菅原龍之助はホーム初ゴール。連敗で2023シーズン終了

2023年の明治安田生命J2リーグ戦も最終節。プレーオフに進出できなかったベガルタ仙台にとっては、これが今季最後の公式戦となる。
仙台は前節・長崎戦から先発メンバーを2人変更した。キム・テヒョンが左サイドバックに入り、前節に今季初ゴールを決めた加藤千尋も先発入りした。ゲームキャプテンは小出悠太が務めた。

仙台は4分に相手DF間に入りこんだ加藤がゴール前にパスを送るが、惜しくも山田寛人に届かず。6分には山田のポストから攻撃を組み立て、左サイドの氣田亮真がドリブルからクロスを上げたが、これは相手に弾かれた。9分、自陣左サイドで林彰洋のパスがカットされてピンチになったが、相手のクロスは点に結びつかず。命拾いした。
その後の仙台は、最終ラインからじっくりボールを動かして町田陣内に進出するが、相手最終ラインを破れずシュートがなかなか打てない。28分には左サイドで氣田と鎌田大夢がパス交換して相手を揺さぶり、鎌田がクロス。これはGK福井光輝にキャッチされた。31分には氣田が相手陣内でカットしてからドリブルでゴールに迫ったが、その先のチャンスはつぶされた。
相手の中央からの攻撃は福森直也、菅田真啓の両センターバックを中心に跳ね返していたが、35分頃から相手にセットプレーを与える場面が増えた。しかし林が太田宏介のCKやFKを阻むなどしてゴールは割らせない。両チームが決め手を欠いた前半は、0-0で終わった。

ハーフタイムでの選手交代はなし。仙台は前半以上の勢いを持って攻め入りたいところだったが、出鼻をくじかれる。47分、左サイドから鈴木準弥にクロスを上げられると、クリアしようとした小出のキックがゴールに入ってしまった。仙台は予期せぬかたちで0-1とされた。
仙台はさらに町田の勢いを止められず、55分に追加点も許してしまう。右サイドで相手の突破を止められず、ゴール前に走りこんだミッチェル デュークに押しこまれてしまった。
後半の短時間で0-2とされた仙台は、62分に3選手を交代する。小出、長澤和輝、山田に代えてオナイウ情滋、エヴェルトン、菅原龍之助をピッチに送りこんだ。すると66分、仙台は右ショートCKからつなぎ、加藤のクロスを菅原が頭で決めた。今季2点目の菅原は、これがホームでは初得点。仙台は1-2とした。
1点を追う仙台は、72分に鎌田のスルーパスを氣田がつなぎ、菅原が左サイドからシュート。これは福井に片手で止められた。直後にはキム・テヒョンが遠目からシュートを狙うも、福井の正面だった。75分には髙橋大悟にゴール前への進入を許したが、シュートは食い止めた。
仙台は80分に交代。加藤から相良竜之介にスイッチした。だがフレッシュな選手を投入しての再三の猛攻が、なかなか実らない。すると88分、相手のクリアボールが最終ラインの背後に抜け、アデミウソンに林との一対一を決められてしまった。
1-3とされた仙台は、鎌田から梁勇基に交代。90+1分に梁のFKにエヴェルトンが頭を合わせたが、シュートは惜しくも上に外れた。90+4分にはオナイウのロングスローからの攻撃をはかり、こぼれ球をオナイウ自身がミドルシュートしたが、これは枠外。ここでタイムアップの笛が鳴り、仙台は1-3で敗れた。

堅い試合展開で次第にペースを引き寄せながら、後半早々の2失点など要所で守備の厳しさを欠いた仙台。連敗でシーズンを終えることとなった。勝点48の16位。堀孝史監督は試合後に「ホーム最終戦ということでしっかりとファン、サポーターの方に勝利を届けたいと思ったのですけれども、それがまたできなくて申し訳なく思っています」と謝罪するとともに、「選手たちが最後まで戦ってくれたことは良かった。今シーズンはもう終わりますが、来シーズンにそういう戦うところがしっかり残っていけば」と、この先のチームについての言葉も残した。仙台は2023シーズンの全公式戦日程を終えた。

reported by 板垣晴朗

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