仙蹴塵記

明治安田生命J2第30節 群馬戦・第一報 前半優勢も、退場者を出した後半にセットプレーから2失点し勝負あり。11試合勝てずトンネルは続く

明治安田生命J2第29節・磐田戦での大敗を受け、ベガルタ仙台は6人の先発メンバーを入れ替えて今節の群馬戦に臨んだ。菅田真啓の出場停止にともない、センターバックでは若狭大志が先発。内田裕斗、エヴェルトン、鎌田大夢が先発に復帰した。また、長澤和輝と齋藤学が仙台加入後としては初めて先発出場した。ゲームキャプテンは中山仁斗が務めた。

コイントスの結果、エンドが入れ替わったかたちでキックオフ。仙台は2分に相手陣内右サイドで松崎快が倒されFKを獲得。鎌田のキックにファーサイドの中山が飛びこんだが、ヘディングシュートはゴール左へ外れた。11分には左サイドに流れた長澤のキープから右に振り、折り返しのクロス。これは合わせられなかった。
その後も猛攻をしかける仙台は、15分に中山の高い位置でのカットから繫いでゴールに迫るが、クロスはブロックされCKに逃げられた。逆に仙台陣内で相手にFKを与える場面もあったが、20分と25分のピンチはしのいだ。
30分、仙台は長澤のサイドチェンジを受けた齋藤が思いきってゴールを狙ったが、シュートは浮いてしまった。35分には中山のポストプレーを挟み、真瀬拓海がシュート。これは右に外れた。44分にはCKのこぼれ球を松崎が遠目からシュート。グラウンダーのミドルシュートはGK櫛引政敏に取られた。仙台は押し気味だった前半のチャンスを生かせず、0-0で試合を折り返した。

ハーフタイムでの選手交代はなし。仙台は後方からボールを繫いでくる群馬に対して落ち着いて対処していたが、50分に真瀬が右サイドで相手を倒してこの試合2枚目のイエローカード。退場してしまった。10人になった仙台は、54分に松崎を小出悠太に交代して右サイドバックの穴を埋めた。だが直後のCKで、仙台はCKからのこぼれ球を中塩大貴に蹴りこまれ、先制点を奪われてしまった。
0-1とされた仙台は60分にも群馬の連続攻撃を受けたが、これはクロスバーに助けられた。悪い流れを変えるべく、3人を一気に交代。62分に中山、齋藤、長澤に代わり、菅原龍之助、中島元彦、郷家悠太がピッチに入った。
65分を過ぎると高崎航地主審のファウルの笛が吹かれる頻度が増し、試合は荒れた展開に。72分、仙台はゴール正面でファウルを取られ、相手にFKを与えてしまった。するとこれを風間宏希に直接蹴りこまれ、0-2とされてしまった。
79分、仙台は内田から相良竜之介に交代。直後のCKで中島のキックをキム・テヒョンが折り返したが、これは浮いてしまい櫛引にキャッチされた。84分、林彰洋のロングフィードを受けた相良が遠目からシュートしたが、これは櫛引の正面だった。90+2分にはなんとかCKをもぎ取るも、シュートに持ちこめず。0-2で完敗し、ついに11試合勝利から見放されることになってしまった。

前半は優勢ながら、退場者を出して一気に瓦解した仙台。もはやJ2残留を決めないことには次の目標も見えてこない泥沼にはまってしまった。堀孝史監督は試合後に「1人少なくなる前ではしっかりと準備してきたことをみんな出してくれました」としたうえで「苦しい状況ですけれどもこの状況を変えるために選手、スタッフがみんなで我慢しながら続けていくしかない」と、藻掻いている心境を口にした。

reported by 板垣晴朗

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