仙蹴塵記

明治安田生命J2第23節 山形戦・第一報 早々の自滅による失点から試合の流れを取り戻せず。1-4の屈辱的な大敗でダービーマッチ2戦目を終える

ベガルタ仙台は明治安田生命J2第23節・山形戦にあたり、前節から先発メンバーを2人変更。鎌田大夢が負傷から復帰してボランチに入り、前線では山田寛人が2トップの一角に入った。ゲームキャプテンは小出悠太。

先に決定機を作ったのは仙台。3分、氣田亮真からのグラウンダーのクロスに、鎌田が左足で合わせてシュート。だがこれは惜しくも左へ外れた。すると、思わぬかたちで試合が動く。5分、バックパスを受けた小畑裕馬が前方にパスを出すと、そこに猛然とプレッシャーをかけてきた藤本佳希にダイレクトで蹴りこまれてしまった。仙台は決定的なミスから0-1とされた。

先制された後の仙台は、勢いを得た山形に押される時間が続く。11分には自陣左サイドでFKを与え、二次攻撃からシュートに持ちこまれたが、これは小畑が正面でおさえた。24分にはゴール正面遠目でFKを与え、田中渉に直接シュートされたが、これも小畑が正面で止めた。

仙台は26分、右サイド遠目でFKを獲得。鎌田のキックに逆サイドのキム・テヒョンが合わせたが、シュートは左に外れた。しかし山形優位の流れは変わらず、33分から34分にかけて相手の連続CKからのピンチに耐える展開に。38分にはカウンターからループシュートを受けたが、小畑が片手でなんとか弾き出した。しかし山形の攻勢は止まず、40分に藤本に反転からのシュートを決められ、仙台はこの日2失点目。スコアは0-2となり、仙台はダービーの場において恥ずべき展開で折り返すことになってしまった。

仙台はハーフタイムに小出から蜂須賀孝治に交代。後が無くなった仙台に、サポーターから「点取れ仙台」コールが浴びせられた。その声に応え、47分、カウンターから右CKを獲得。鎌田のキックにホ・ヨンジュンが頭をピタリと合わせてゴール。仙台はホ・ヨンジュンの2試合連続ゴールで1-2とした。

仙台は49分に氣田が持ち込み、キム・テヒョンが左サイドから攻め入ってシュートに持ちこんだが、これは枠を外れた。さらに攻めこみたかった仙台だが、54分にカウンターからまたも藤本にゴールを奪われ、ハットトリックをされる屈辱的展開に。1-3とされた。

仙台の失点は続く。58分、またも右サイドからのクロスを藤本に合わされ、今季最多の4失点目。1-4となってしまった。

大失態の仙台に、サポーターもコールをやめてしまった。63分に2選手を交代。山田と郷家に代えてフォギーニョと遠藤康を投入した。CKの場面で一時的にコールが戻るも、ゴールを脅かせないまま時間が過ぎる。76分、仙台はエヴェルトンから中山仁斗に交代した。

81分、仙台は高い位置でカットし、中山が右サイドからシュート。だがこれはゴール前を横切ってしまった。直後にホ・ヨンジュンに代わって梁勇基がピッチに入った。しかし決定機はなかなか生まれず。後半アディショナルタイムに遠藤の惜しいシュートからCKを獲得したが、このCKからの90+2分の遠藤のシュートは上に外れた。

仙台はゴール前へのパスをことごとく寸断され、2点目すら取れないまま1-4でタイムアップ。逆転勝ちは今回もできなかった。攻撃の差を見せつけられての大敗に、「不甲斐ない試合をしてしまったことを申し訳なく思っています。選手たち、我々スタッフ、クラブとしてこの敗戦をすごく重く受け止めながら、次に向かっていかなければいけない」とサポーターに謝罪。失点後に攻撃が機能性を欠いたことを反省し「もっと自信を持ってプレッシャーをはがせる状況を作れるよう、突き詰めたい」とここで止まらずに普段の練習の成果を発揮できるよう、次節に向けて前を向いた。

reported by 板垣晴朗

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