仙蹴塵記

明治安田生命J1リーグ第29節 清水戦・第一報 セットプレーとミスからの2失点が響く。フェリペ・カルドーゾの来日初得点も、1-2で大一番に敗戦

明治安田生命J1リーグ戦で今季二回目の連勝を狙うベガルタ仙台は、前節から先発メンバーを変更した。負傷した富樫敬真がこの試合に間に合わず、ベンチ外。前節に途中出場して決勝点に関わった中原彰吾、フェリペ・カルドーゾ、西村拓真が先発入りした。ゲームキャプテンは蜂須賀孝治。

2分、仙台は西澤健太にミドルシュートを打たれたが、これは枠を外れた。9分には深い位置の右サイドで相手にFKを与えたが、西澤のFKはブロックして難を逃れた。仙台は清水の守備ブロックをなかなか崩せず、シュートに持ちこめない時間が続く。すると19分、相手CKからチアゴ・サンタナに近距離で押しこまれてしまった。副審の旗が上がったためにVARの判定も入ったが、ゴールが認められて0-1となった。

仙台はその後もシュートが遠く苦戦が続いたが、34分に敵陣右サイドで相手ハンドによりFKを獲得。上原力也のキックにゴール前のアピアタウィア久が頭を合わせたが、シュートは左に外れた。36分には左サイドで獲得したFKを中央に流すと、これを受けた中原がミドルシュートを打ったが、ゴール上に外れた。38分には上原の縦パスを受けたカルドーゾが左足でシュート。だがこれは左に外れた。

手倉森誠監督ハーフタイムコメント
・後半の入りからパワーを出そう。プレーを止めずに続け、セカンドボールを回収して前進すること。相手を慌てさせる仕掛けを。

仙台は後半から、中原に代えて福森直也をピッチに送りこんだ。フォーメーションは3-4-2-1に変化。48分に仙台は左サイドでFKを獲得すると、この流れから最後は吉野恭平がシュート。だがこれは権田修一にキャッチされた。その後も押し続けていた仙台だが、思わぬかたちで失点を喫する。52分、足下でのボールを処理しようとしたヤクブ・スウォビィクが、藤本憲明のプレッシャーを受けてボールを後逸。これがゴールに転がり込んで、仙台は自滅に近いかたちで0-2とされてしまった。

54分、あとがなくなった仙台は左サイド高めの位置でカットした石原崇兆が切れ込んでシュート。これは惜しくも右に外れた。56分、仙台は2選手を同時交代。富田晋伍と加藤千尋から、松下佳貴と関口訓充に代えた。60分、仙台は松下のシュートで右CKを獲得。この流れからカルドーゾが強烈なシュートを蹴りこみ、来日初ゴール。1点を返し1-2とした。

仙台はその後も1点を追って攻め続ける。77分、西村のサイドチェンジを受け、石原が折り返す。最後は松下がダイレクトでシュートしたが、これは枠外だった。仙台は81分、更に選手交代。上原と蜂須賀から、皆川佑介と赤﨑秀平に交代。攻撃色を強めた。

後半は負傷者の治療があったため、アディショナルタイムは8分。仙台は90+5分に赤﨑がボールを運んでのカウンターからチャンスを迎えたが、オフサイドによりシュートまで持ちこめず。90+9分には福森のフィードに西村が合わせたが、権田にキャッチされた。仙台は猛攻をしかけたが同点ゴールには到らず、1-2で試合終了。反撃に入るまでが遅く、2失点を取り返せなかった。

手倉森誠監督は試合後、残留争いの大一番に負けたことで「(勝点差を)離されたのは痛い」と悔しさをにじませた。その一方で、追いつくために繰り出した様々な策に選手が応えたことについて「今日に見せた執念がこれからに必ず生かされるものだと思っていますから、それを信じてやっていくだけ」と、次節以降につながる糧も得られたことについては前向きに捉えた。

reported by 板垣晴朗

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