仙蹴塵記

明治安田生命J1リーグ第28節 G大阪戦・第一報 富樫敬真の2得点と、西村拓真の決勝弾。3-2で打ち合いを制し12戦ぶりに勝利

二週間の準備期間を得たベガルタ仙台は、明治安田生命J1第27節・鳥栖戦から先発を入れ替えて今節に臨んだ。蜂須賀孝治と加藤千尋が先発に復帰し、4-4-2でスタート。ゲームキャプテンは蜂須賀が務め、試合前のFIFA FAIR PLAY DAY のリスペクト宣言をG大阪の倉田秋主将とともに行った。

試合は、立ち上がりにシュートを打ち合う展開。1分に仙台の加藤千、2分にG大阪の宇佐美貴史がそれぞれチャンスを迎えたが、いずれも枠をとらえなかった。4分には吉野恭平のロングフィードを受けた加藤千が自ら持ち込んで遠目からシュート。だがこれは東口順昭の正面だった。

仙台は9分と10分に小野裕二に抜け出されピンチを迎えたが、どちらもシュートミスに救われた。逆に12分、富樫敬真のポストプレーを受けて関口訓充がシュートしたが、これは東口の正面だった。

その後は両チームとも工夫を見せた攻撃を見せるも、ゴール前でのパスの精度を欠いてシュートがなかなか打てない。28分、自陣でのミスから仙台はカウンターを受けたが、相手のシュートはヤクブ・スウォビィクの正面だった。34分には矢島慎也にタイミングを外されたシュートを打たれたが、スウォビィクが駆け引きを制して弾いた。

ピンチをしのいだ仙台は、37分にこの試合で再三突いてきた右サイドからチャンス。蜂須賀のクロスに富樫が飛びこみ、仙台加入後初ゴール。仙台が先制した。

第18節以来の先制点を得た仙台だが、その直後に追いつかれる。39分、右サイドからクロスを上げられると、これが仙台の選手に当たって軌道が変わり、最後は矢島に頭で押しこまれた。これで試合は1-1に。

仙台は慌てず反撃に入ると、42分に右サイドでFKを獲得。上原力也のキックに富樫が頭で合わせ、この日2点目。再び仙台が勝ち越し、2-1でハーフタイムを迎えた。

手倉森誠監督ハーフタイムコメント
・手堅い守備は継続し、辛抱強く。3点目を取る姿勢で、やり切ることと相手陣でプレーすることの使い分けを。

ハーフタイムでの選手交代はなし。仙台は48分と49分に井手口陽介のシュートを許したが、どちらも枠外だった。56分には宇佐美に直接FKからゴールを狙われたが、これは壁が弾いた。

57分、仙台は相手のクロスに対し蜂須賀がペナルティーエリア内で手で触れてしまい、PKを与えた。これをパトリックに決められ、60分に2-2の同点とされた。

仙台は飲水タイム後の66分に3選手を交代。富樫、関口、赤﨑に代えて、フェリペ・カルドーゾ、中原彰吾、西村拓真をピッチに送りこんだ。

69分に仙台のクロスが相手選手の手に当たったことでVARの判定が入ったが、PKにはならずその際の仙台のオフサイドが最終判定となり試合再開。仙台は相手に押される嫌な時間が続いたが、79分にカウンターから西村が飛び出して豪快にフィニッシュ。3-2と、三度勝ち越した。

82分、仙台は蜂須賀から真瀬拓海に交代。87分にCKから中原がシュートしたが、これは左ポストに当たる。跳ね返りをアピアタウィア久がシュートしたが、これは東口におさえられた。90分に仙台は加藤千から福森直也に交代。VARの影響でアディショナルタイムは7分に及んだが、仙台は守りを固め、カウンターに持ち込んでからはキープを交えて時間を使う。3-2で逃げ切り、ついに12試合ぶりの勝利を手にした。

手倉森誠監督は「これまでにも苦しい、悔しい思いをしてきた中で、ようやくこういう勝ち方ができたときに、これを自信にしてJ1残留争いをまくっていきたい」と、今後に意識を向けた。

reported by 板垣晴朗

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