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おめでとう川崎フロンターレ&名古屋グランパス…日本代表は「安楽死のグループ」

●おめでとう、川崎フロンターレ
J1、J2ともにリーグ戦が終了しました。J1は川崎フロンターレが初戴冠でした。最終節での逆転となったわけですが、川崎Fは優勝に値するチームだったと思います。鹿島アントラーズは勝てば自力優勝だっただけに残念でしたね。鹿島もまた優勝して何の不思議もないチームでした。

しかしこれ、川崎Fにとっては凄(すご)く意味のあるタイトルですよね。シルバーコレクター返上というだけでなく、総額22億円のDAZNマネーをゲットですから。以前も書きましたが、マンチェスター・ユナイテッドが現在のようになったのはプレミアリーグに移行して最初の2年を連覇したことが大きいと思います。川崎Fがゲットした賞金をどう使っていくのか、まあ間違いなく補強はするでしょう。もし来年も連覇したら新たなビッグクラブ誕生となるかもしれません。

川崎Fは風間八宏前監督が5年間率いて、プレーの「原理」を遺(のこ)していきました。今年は鬼木達監督がそれを引き継いでブラッシュアップした感じですね。ミシャ→森保のサンフレッチェ広島が黄金時代を築いた流れと似ています。風間前監督が置いていったのはプレーの原理、つまりどうやってプレーすべきかという財産です。これはフォーメーション変化やポジショニングといった形ではないので、かえって財産価値は高いのではないかと思います。

どうやって止めるか、蹴るか、崩すかという原理なので、形はいかようにでも変えられます。プレーする上での共通言語みたいなものですね。例えば、形を継承するのは外国語の特定の会話文を丸暗記するようなもので、一応日常会話はできますが、相手が予期しないことを話し始めたら手に負えなくなります。一方、言葉の原理である文法を覚えても当面の会話力は上がりませんが、やがて語彙が増えてくれば自由に会話ができるようになります。遺産としては壺より紙幣というところでしょうか。川崎Fがさらに強くなっていく可能性はけっこうありそうです。

●おめでとう、名古屋グランパス
J1昇格プレーオフは名古屋グランパスがアビスパ福岡と0-0。順位が上の名古屋が昇格となりました。

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