【エジリの定理】VOL.6 大局観「定石の隙間を見抜き、突いていけるかどうか」(取材・構成:西部謙司)(2,273文字)2014/05/15
今回のテーマは「大局観」です。これまでピンポイントの狭いところを掘っていたわけですが、急に漠然としてきました(笑)。大局観という難しそうですが、要は試合の流れを読むということですね。さらに定石を踏まえたうえでの直感というか、ヒラメキをどこまで発揮できるか。
いつもはこちらからテーマを用意して江尻さんに質問していくのですが、今回はあえてこちらからは提示せず、「江尻さんが今、一番気になっていること」を聞いてみました。すると、「フィールドをどう使うか」を考えているとの答えでした。攻守にわたるいろいろな場面で、フィールドプレーヤー10人がどういう位置どりをすべきか。それはシステム論ではなく、結局は選手個々がどう判断するかにかかってきます。そこでポイントになるのが試合の流れを読むこと、大局観という話につながるわけです。
――フィールドのどこにいるべきかという話ですが、ちょっと例をあげていただけますか。
江尻「例えば、相手のディフェンスラインが浅くて中盤がコンパクトなら、そこへパスを入れるのは難しい。まずは相手を縦に伸ばす作業が必要になります。、ボールサイドに人が集まっているなら、サイドチェンジして薄いところを狙う。守備の場合は逆になりますよね」
――守備は狭く、攻撃は広くがセオリーですね。ただ、京都サンガみたいにセオリーを外した攻撃をするチームもある。チームによってもセオリーが違う。
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