Iwate Football Freaks

ゲームスタッツの比較からわかることはなにか【いわてグルージャ盛岡】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

松原良香前監督が20日、解任となった。

秋田豊社長はメディアに対し、解任の理由をこのように(松原良香監督解任について 秋田豊社長囲み取材コメント全文 : Iwate Football Freaks (targma.jp))説明している。

 

その背景にあるものは本当にエビデンスに則ったものなのか。主観や印象論で語られてはいないか。

そういった思いを抱いたため、改めてデータを用いながら確かめていきたい。

比較するのは今季、そして直近の監督就任1年目のデータとなる2020シーズン。就任2年目以降である場合、あるいはJ2とJ3などカテゴリーが違っている場合、公平性に欠くため、こちらのシーズンでそれぞれのデータをまとめた。それが上記の表である。

 

よりよいスタッツとなっているほうを赤字で示している。なお、順位についてはリーグに所属するチーム数が違うため、優劣はつけていない。

解任の理由について、特に気になった下記の2点について検証する。

 

解任の背景その1 「相手をほとんど崩せていなかった」の真偽

秋田社長は松原前監督のスタイルでは「相手をほとんど崩せていなかったと思います」と説明。上記の表では今季の「ゴール期待値」は20チーム中6位の1.347、「チャンス構築率」もトップハーフの8位となっている。リーグトップクラス、とはいえないまでも、明らかに平均以上の数値ということが言える。まずもって、「崩せている/崩せていない」の判断基準がどの数字にあるのかが不明だ。もしそれが例えば攻撃の全スタッツでリーグ3位以内でなければ「ほとんど崩せていない」に該当するのであれば理由にも納得がいく。ただ、その場合は20チーム中、17チームがほとんど崩せていないことにはなるが。

また試合をみても、「崩す」シーンは明らかに多い。もちろん、試合ごと、時間帯ごとの波はある。それでも崩せて、チャンスが多いからこそ、サポーターも昨季以前とは違い、前向きにこの新しいスタイルをみんなで支えようとし、支持し続けたのではないだろうか。その証拠が「ゴール裏、バックスタンドに行っても、サポーターのみなさんはいいときも、よくないときも、いつでも『がんばれ』と後押ししてくれた」(松原前監督)という言葉に他ならない。

 

解任の背景その2 「守備の構築ができていなかった」の真偽

これは前述の話以上に、一目瞭然だ。

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