「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コメント】トニーニョ・セレーゾ監督「試合の入り方が非常に悪かった」/明治安田生命J1リーグ1stステージ第17節 川崎フロンターレ戦(2015.06.27)

■トニーニョ・セレーゾ監督(鹿島):

 

――前半、30分過ぎまでに2点取られる苦しい展開になったあと盛り返しました。その展開についてお願いします。あと、柴崎選手がベンチから外れましたがその理由をお聞かせください。

 立ち上がりの試合の入り方が非常に悪かった。25分、30分過ぎまで非常に悪かった。悪いという評価というのは、一つは消極的にプレーしていたこと。ボールを受けるのを怖がっていた。もう一つは、コントロールミス、パスミスの連続だった。特に相手がボールを持たしてくれるチームなので、慌てる、あるいは怖がる必要性はまったくなかったのに、なぜそうなってしまったのかなという疑問があります。それを分析して理由を見つけていきたいと思います。もう一つは、サイドの守備というところです。うちは徹底してやっていることなんですけど、ちょっとそこの守備の部分で甘さがあったのかな、という部分でやられてしまったところがありました。普段はしっかりできているのに、そこが今日に関してはうまくかみ合わなかった。プレッシングしても、一人、二人とバラバラで連動していなかったりとか、ちょっとチームとして組織としての部分が出ていないところが多かったと思います。2失点したあとに、我々が盛り返したというよりは、(相手に)試合への慢心が出て、そこから後ろに下がるようになり、逆に自分たちが相手ゴールの近くに行って、得点もしましたし、前半だけで同点に追いつけるチャンスもありました。

 

2つめの質問ですが、メディカル部門から休ませた方がいいという助言を受けたので、僕は医者でもないので、メディカルが判断したものに従って使える選手を使わなければならないし、その意味で、使える選手をピッチに立たせました。細かいことに関しては、フロントかメディカルの関係の人が、より正しい情報を与えることができると思います。

 

 

――ファーストステージから、ワントップの先発メンバーが4人ほど入れ替わりました、固定できなかった難しさがありましたでしょうか。また、ダヴィ選手の状態はいかがでしょうか?

 

ダヴィに関しては、昨年から始まっている怪我なので、皆さんは復帰を気にされますが、筋肉系の怪我であれば復帰のめどもわかるのですが、もっと複合的な怪我なので、それは僕がいつと決めるわけではない。いまうちには3名の外国人選手がいますが、コンスタントに試合に出続けられる選手はカイオしかいません。ジネイも怪我をしてしまいました。あとはアジア枠でファン・ソッコがいますが、そこもアダプトしていかなければならない。外国人枠をうまく使えていないと思います。筋肉系の怪我というのは、管理しながら調整することがある程度でき、怪我をする前にリスクを抑えることもできるのですが、試合のなかである接触による事故というのはこちらで止めようと思っても止めようもないことです。不運に見舞われたと考えなければ、前を向くのも辛くなります。僕はいまいる選手でやっていく覚悟を持っています。

ワントップについてですが、Jリーグだけを僕らは戦っているわけではなく、ACLを並行して戦っていました。ましてや長距離移動もあります。うちは出来上がっているチームではありませんし、部分的にまだ足りない部分もあります。まだ土台の部分をつくっている状態なのは間違いありません。嘘をつくわけにもいかないですし、それは誰が見ても明らかなことです。そのなかで、怪我をしないように選手を入れ替えながらやっていく。今日に関しては、赤﨑が出て、やるべきことである献身性、それはうちの伝統なので基礎的に守ってもらわなければいけないことでつねにやろうとしていることだし、得点もできますし、決定力もあります。ジネイをホームで2回、アウェイ2回で怪我をしてしまい、せっかく補強したのに、、、という状態です。もういる選手を使うしかないので、連戦と移動と考えればできる部分を考えれば入れ替えて起用するしかありません。そして、少しでもベースとなる選手たちを保っていくことかと思います。ACLでもJリーグでも、だいたいベースとなるチームは決まっているんですけど、メンバーが出たときには互角以上に戦うことができていますが、今日のように怪我人が何人もいるなかでは、ピッチに立たせた選手で最低限やるしかない。フロンターレは外国人選手をうまく使いながら、今日も外国人選手が2点取り、また長年一緒にやっている日本人選手で得点していっています。僕は以前から言っているようにフロンターレさんは日本サッカーのなかで1位、2位を争うサッカーの質を示している。そういう意味で、力がある相手に対して、最低限気持ちの部分では後半に関しては示すことができたと思いますし、あともう少しのところで勝利を手にすることはできませんでしたが、最低限戦う、あるいは走るという部分は、チームのためにという部分は示せたと思います。足りない部分を言ってもしようがないので、僕はいるメンバーでやっていく覚悟は持っているし、それを指導していきたいし、指導していけば必ず身になると指導に自信を持っています。後期に向かってしっかり準備して向かいたいと思います。

 

後半に関しては非常に素晴らしい試合ができたと思います。僕らはビハインドの状況なので前に出なければいけないところで失点しましたが、同点に追いつくチャンス、あるいは逆転できるチャンスもあったので、あともう少しの部分があったと思います。惜しいと言われるかもしれませんが、その姿勢はすばらしかったと思います。これがセカンドステージの最低限の姿勢として示すことができればと思います。相手を恐れることなく、ボールを保持したときに積極的に顔を出して、自分たちのパスワーク、技術、視野、サッカーセンスを発揮できた部分が後半はあったと思います。後半の途中から出場した選手に関しては、もう少しイメージには足りないところがあったかもしれませんが、それでも一生懸命、チームのために走るという最低限のことをやってくれたので、セカンドステージに向けてこれを最低限としてやってもらえれば、いろんな困難な状況は今回だけでなくまだあると思うので、それをみんなで乗り越えたいし、皆さんが描く悪い期待を良い方向で裏切りたいと思います。

 

柴崎選手に代わる選手がいるかといえばいない。それぞれに特徴がある。今日に関しては青木と小笠原が出て、彼らは一生懸命中盤でタクトを振るった。特に小笠原は非常にすばらしく、また運動量も後半も落ちず、パスやボールに対する寄せ、戦う姿勢、アントラーズを代表する、あるいはこれぞアントラーズ、アントラーズの選手はこういう姿勢で戦い、運動量、攻撃のバリエーション、という部分で示した。ぜひとも同じポジションの選手だけでなく、他のポジションの選手にもまずそれを見習ってほしい。オープンな試合になったと思いますが、それはフロンターレさんもゴールを目指すサッカーをしているので、そういう状況になったと思います。

 

――ACLでの苦労と、第2ステージまでにやらなければいけないことは?

 

非常に難しい質問をされたと思います。複合的な質問ですので、それに細かく言っていくとすごく時間がかかるので率直にいくつか答えます。うちは良い選手が何人かいるのは確かなのですが、ただ連戦で分かったのはまだ選手が足りないというのは明確です。補強をしていかなければいけないし、そうでなければタフなシーズンやJリーグの試合をコンスタントに戦うことはできない。それは明確になっていることだ。もう一つは、やはり外国人枠の問題、あるいは外国人選手の問題です。実働できないところでどうするのかを解決していかなければならない。その他にも問題はありますが、鹿島だけがずっといろんな問題を抱えてなにもできないということはないと考えているので、引き続きフロントとどのようにしていくのかを話していきたいと思います。試合直後なので、好ましい言葉が出ないところもあるのでご了承いただければと思います。フロントと話しをしなければいけないことはあるし、一つひとつクリアしなければいけないと思います。補強ができないのであれば練習の姿勢を変えてもらわないといけない。それは僕だけでなく、クラブ全体でその方向性をどのようにアプローチして練習に対する意識を変えないといけない。いまが悪いということではなく、それをもっと良くすることを考えなければいけないし、そのアプローチの方法を考えなければならない。

 

 

 

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