「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コメント】樋口靖洋(甲府)「鹿島は2バックのようなものだったので、カウンターで点は取れると思っていた」/明治安田生命J1リーグ1stステージ第9節 ヴァンフォーレ甲府戦(2015.05.02)

■樋口靖洋監督(甲府):

6連敗となかなかチームのきっかけがつかめない非常に苦しい4月でした。月が変わって今月のスタートとなるこの試合でひとつきっかけを掴めるような勝点3を取れたことを本当に嬉しく思いますし、今日、鹿島まで駆けつけてくれたサポーターと本当に久しぶりに喜べたこと、勝利を届けられたことを嬉しく思います。また感謝申し上げます。ゲームの方はどうしても相手がボールを持つ時間が長くて、我々のブロックが下がるところはありましたが、ここ2、3試合、ブロックに関してはだいぶ安定感が出てきているな、という手応えはありました。ただ、ゲームを制する上では先制点が取れるかどうかというのが、ゲームをコントロールするうえで本当に重要なポイントになると思っていました。前半から良い奪い方をしたときのカウンターがだいぶゴール前まで運べるようになっていて、後半のスタートでそれが実を結んで先制点になったと。今日は、アントラーズさんが高崎選手への長いボールが本当に多くて、どうしても下がらざるを得なかったんですけど、後半から出た選手たちが逆にパワーを持って前に行くことでチャンスをつくりだしたことが収穫の一つだったと思います。ただ、しっかりゲームを決める2点目、3点目のチャンスがあっただけにそこをしっかり取っていかないと、苦しい試合を勝ち切れないようになってくると思います。今日は勝ったんで心から喜んでいます。いままで落とした星は多いし、サポーターのみなさんにも苦しい思いをさせていると思います。この連戦、あと2つ、なんとしてでも次のゲームにまた準備をして、連勝する、その意識を強く持ってやりたいと思います。

――今日のメンバーを最終的に決めたのはどのタイミングで、選手にはどんな声をかけたのか?

最終的に決めたのは今日の朝の9時過ぎです。朝ごはんを食べてから決めました。選手たちには今日のメンバー発表するときに、この連戦のなかで90分間パワーを持って戦う、というのが大事なテーマだと。そう考えたときに、先発メンバーのなかにちょっと90分もつかどうか不安な選手を入れるのは嫌だ、と。まず90分戦えるという前提のなかでメンバーを組む。当然、連戦なので誰が疲弊して、誰がうまくいかないかはなかなか読めない。そういう意味でまずスタートでいけるメンバーを組む。あと、交代の3つの枠をしっかり使って、90分間パワーを落とさない、ということができるそういうスタートにしたと選手に伝えました。

――リードしたのは久しぶり。リードした時間、チームの変化は感じられましたか?

点数が入って喜んでいる選手を見たときに、荻にも声をかけて下がるな、基本的にはこのまま行くんだ、ということを話しました。当然、アントラーズが長いボールが多くなったので、下がらざるを得なかったのですが、ほとんど相手は2バック状態でしたので、これは簡単にカウンターで追加点が取れるという思いはしていました。

――今日の前線の3人の働きをどのように見てますか?

それぞれ三者三様の特長があって、阿部拓には当然裏を狙う動きは大事なんだけど一回阿部拓にボールを入れて、ワンクッション置くことで堀米と純也が飛び出せ、という指示をしました。純也はそういう形でよく飛び出していましたね。堀米にも特に今日の7番と16番かな、そこの間がかなり空いているので、そこで受けたときにゴールに向かうドリブルをする、という形をつくれれば絶対にチャンスがつくれるという話をしていました。その点、それぞれが特長を出したかな、と思います。

――前節、浦和戦のあとゴール裏にサポーターが残ることがあった。ああいうことがあってチーム全体にプラスに働きかけることはなにかありましたでしょうか?

もちろんああいうことがあって、我々も選手も、私もそうですけど、サポーターの思いをしっかり感じ取らないといけないし、受け止めなければいけないという思いはしています。それがこのゲームに反映したというよりは、いままでも同じように選手たちと毎試合勝つために努力していると。その想いが、今日のゲームの特に最後のところで勝ち切るんだ、というところでもしかすると働いてくれたかもしれません。ただ、ああいうことがあったから頑張るとか、無かったからということではなくて、今日は本当に選手たちがいままでどおり目いっぱい戦う中で結果が出せて良かったと思います。

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