「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【セレーゾの逆襲】タイトなマークから次の段階へ(2014.6.12)

 大きな守備の問題点をあげるとすれば、いまのやり方だと縦の揺さぶりに弱いということだ。トニーニョ・セレーゾ監督は守備時の対応に、タイトなマークを要求している。それだけを取れば決して悪いことではない。相手に楽に前を向かせないためにも、背後から激しくプレッシャーをかけることは重要だ。
 
 ボールが横方向に移動しているだけであれば、中盤の4人も、最終ラインの4人も横に動くだけで対応できる。しかし、縦にボールを出し入れしてくる相手チームの狙いがなにかと言えば、楔のパスにディフェンスを食い付かせて、ワンツーパスで突破することや遅れて距離を詰めてきた相手をターンでかわす、ということ。縦に入ったときの動きは複雑化する。柏戦の失点のように、昌子が楔のパスに対して対応に出た際、その両隣の山本脩斗と植田直通は、昌子が出たスペースを埋める必要があったが、植田はほぼ位置を変えることができなかった。
 浦和、広島、神戸、川崎、C大阪、名古屋etc。選手の並びは違うかもしれないが、いずれも縦の楔をスイッチにして崩しに来る相手は多く、若いバックラインの対応力が問われている。
 

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