Dio-maga(ディオマガ)

【ランダムフォーカス】入ったと思った〜南秀仁選手


1−2と悔しい敗戦を喫したアウェイ千葉戦。選手たちは最後まで、なんとかして勝点を手にしようと奮闘しましたが、あと1点が届きませんでした。

得点のチャンスもいくつかありましたが、50分のポストに当たったシュートを悔しがっていたのが南秀仁選手です。左サイドで受けた汰木選手がカットインしかけたところで、中央のいい位置で相手DFの前を取った阪野選手にパス。阪野選手がヒールで落とすと、走りこんで来た南選手がペナルティエリアの外からフリーでシュートを打ちましたが、ポストに阻まれました。

「康也が出して、トヨ君が横向きだったので、絶対にヒールするなと。そしたらいいところに落ちて来て。あれはほんと、何センチか足に当たる位置が変われば入るので、あれが入らないのは一番悔しいですね」

何センチか、と言っても多分1、2センチか、あるいはミリ単位の違いなのでしょう。南選手自身、蹴った感触では「入ったと思った」と言います。

「あの形であの振り抜きで、あの足の当たり方。感触的には『あ、入った』と思ったんです。でもたぶん、グラウンドが濡れているとかちょっと滑るとか、小さい要因がいろいろ重なったのかなと。打った瞬間、自分ではミスキックはしていないと思ったので。あれはここのグラウンド(NDスタ)だったらたぶん入ってる(笑)」

人間の認知力では判別できないような微妙な差異が、明暗を分けてしまう勝負の世界。それがサッカーの怖さであり、面白さでもあるのでしょう。

後半から入った汰木選手が反撃のリズムを作っていたところだっただけに、こちらもつい「あれが入っていれば……」と悔しがってしまうのですが、一番悔しいのは南選手自身。「あんまり言わないでください」と苦笑いして次に切り替えていました。

文・写真:頼野亜唯子

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ